人気のセーターが1500円OFF!「無印良品」衣料品大幅値下げに懸念の声

「無印良品」を展開する良品計画は、10月1日より秋冬シーズンの衣料品72アイテムの値下げを実施した。良品計画は今年3月〜5月までの連結業績の純損益が41億円余りの赤字となっており、大胆な値下げの実施を不安視する声もある。

「今回、値下げの対象となったのは衣料品や肌着などの主力商品ばかりで、素材選択、製造工程の見直し、包装の簡略化によって低価格化を実現したといいます。特に値下げ率が高いのが人気商品であるウール・綿のタートルネックセーターで、3990円(以下税込み)から2490円に1500円も値下げされており、他にも1000円以上値下げされている商品は少なくありません」(経済ジャーナリスト)

 無印が衣料品をここまで値下げしたのには「ユニクロ」の存在が少なからずあるだろう。良品計画が41億円余りの赤字に陥った原因は新型コロナウイルスによる影響とアメリカの子会社が経営破綻したことが挙げられるが、雑貨は「ニトリ」に、衣料品は「ユニクロ」に客を取られたのも原因のひとつと見られている。

「無印が価格でユニクロに挑もうとしているのなら、それは危険かもしれませんね。無印の魅力は『ブランドなきブランド』と言われるように、“印”がなくても質の良い商品を提供する点にあると思います。いくら製造工程の見直しや包装の簡略化によって値下げが可能になったとしても、品質がついてこなければ客は離れてしまう。コロナ禍で消費者は衣料品にあまりお金をかけられないというのも正直ありますが、値下げにこだわりすぎるとむしろ『だったらユニクロでも…』ということになりかねません」(前出・経済ジャーナリスト)

 無印良品の衣料品大幅値下げは諸刃の剣なのかもしれない。

(小林洋三)

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