「価格維持宣言」のシャトレーゼがついに値上げも「歓迎の声」

 多くの企業が商品値上げを実施する中、「値上げしない」宣言をしていた菓子大手の「シャトレーゼ」が4月1日からついに値上げを実施すると発表した。価格維持を続ける数少ない企業の値上げ発表に絶望感が漂っているかと思いきや、ネット上では値上げを歓迎する声も多く見られた。

 同社は、価格維持への挑戦を宣言し、自社努力による徹底した無駄の排除とコスト削減をおこなってきたが、「原材料、包材、燃料、物流におけるコスト上昇分を企業独力で吸収することがもはや困難となったため」と一部商品の価格改定を実施すると説明した。値上げするのは全体の3分の1にあたる150商品で、人気商品の「スペシャル苺ショート」などが10~30円引き上げられる。

 昨年、シャトレーゼは取り扱う約400商品を令和5年3月まで値上げしないと宣言し、店頭にも「値上げしないことへの挑戦」という張り紙を掲示していた。クリスマスシーズンには多くのメーカーがケーキの価格を値上げする中で宣言通りに価格を維持し、さらに同時期には社員の給料を10%アップして称賛を浴びていた。

「そんな経緯もあったので、今回の値上げ発表には《今までよく頑張ってくれた。値上げしても今まで通り買いに行きます》《潰れてしまっては元も子もないので、値上げしてより良い商品を出してください》などポジティブな声も多く見られます。もともと値上げしない宣言は今年3月いっぱいまででしたし、洋菓子には欠かせない卵の価格が高騰していますからね。これ以上、価格維持を続ければどこかにしわ寄せが出かねないので、タイミングとしてもちょうどよかったのではないでしょうか」(経済ライター)

 値上げ後もシャトレーゼ人気は続きそうだ。

(小林洋三)

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