ウエストランドも男性ブランコも…M-1芸人「もう1つの顔」はミュージシャンだった!

 1度でも「M-1グランプリ」の決勝舞台に立つと、たとえ最下位でも翌年から仕事の幅がグンと広がる。昨年はダイヤモンドが10位で最下位だったが、ショックのあまり審査員たちをにらみつけた野澤輸出がネットでトレンド入りし、仕事のオファーも増えたという。

 ちなみに昨年の大会は、覇者・ウエストランドを筆頭に、真空ジェシカ、ダイヤモンド、ヨネダ2000、男性ブランコ、さや香、キュウ、カベポスター、ロングコートダディ、オズワルドがファイナリスト。

 実は、このコンビたちの中には、音楽ユニットを結成している者が多いという。

 例えばウエストランドの井口浩之は、21年に「ラブリーツインズ」という男女デュオで「Impossible love」という楽曲を配信している。相棒はパーパー・あいなぷぅ。相方のほしのディスコは動画配信をきっかけに、昨年は「星野一成」名義でCDデビューするまでになった。あいなぷぅはそれ以前に、未来のM-1チャンプを歌のパートナーにしていたのだ。

「ウエストランドのラジオの大ファンだったラッパーのSLOTHさんが作詞・作曲。先輩と後輩の関係性である男女が、近くにいながらすれ違う切ない恋心が描かれた歌詞でした。ミュージックビデオは、2人がしょっちゅう上がっていた西新宿ナルゲキという小劇場で撮影。M-1以降、一気に視聴回数が伸びました」(エンタメ誌ライター)

 昨年のM-1で3位だったロングコートダディは、ネタを書いている堂前透がミュージシャンとして活動している。「ジュースごくごく倶楽部」というバンド名で、「堂前タオル」という名義。担当はベース。メンバーは、ニッポンの社長・辻が「辻クラシック」名義でギター。マユリカ・阪本は、「ジンジャーエール阪本」でボーカル&語り。ムームー大陸・山崎おしるこは、「愛コーラ」でボーカル。シカゴ実業・山本プロ野球は、「ポイズン反町」でドラム。滝音・さすけは、「あたし」でキーボードといった構成だ。

 同バンドは19年に結成され、翌20年には阪本が作詞した「飲み会で喋れない人」、辻が作詞した「入玉したいよ」のミュージックビデオを公開している。すでにワンマンライブを成功させており、オリジナル楽曲「タンパクスィッツあげるよ」は「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)の22年11月〜12月のエンディングテーマだった。

「地元の関西では人気がある若手芸人たちなので、今年2月に大阪・道頓堀川で船上ライブを開催すると、1000人ほどのファンが集まりました。3月15日には1stアルバム『ジュースごくごく倶楽部の1杯目』をリリース。今後はパネル展、ネームカードお渡し会、ミニライブ、名刺お渡し会など、趣向を凝らしたイベントを行います」(前出・エンタメ誌ライター)

 決勝4位だった男性ブランコは、浦井のりひろが昨年6月に5人組アイドル・ZiDolを結成している。プロデューサーは、関西を中心に活動しているピン芸人のkento fukaya。メンバーはスーズ・高見、マユリカ・中谷、ニッポンの社長・ケツ、紅しょうが・稲田美紀。デビュー曲「似非デレラ(エセデレラ)」は6月8日の配信当日、「J-popランキング」でモーニング娘。に次いで10位につけた。

 マルチな才能を開花させているM-1ファイナリストたち。いつか彼らの中からメガヒットアーティストが生まれるかもしれない。

(北村ともこ)

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