EXOと言えば12年にデビューしたKーPOPグループ。所属事務所の先輩格で00年代後半に活躍した東方神起や少女時代、SHINeeなどのK−POPアイドル「第2世代」に続き、10年代前半の「第3世代」を牽引した男性アイドルグループだ。そのEXOを14年に脱退、本名のウー・イーファンもしくはクリス・ウーの名前で活躍していた元メンバーのクリスが、性的暴行事件を起こして逮捕されたのは21年のこと。その後の転落人生について韓国メディアが報道したのだが、なんと「去勢」までされる可能性に触れている。
「EXOは韓国を中心に活躍するEXO−Kと中国のEXOーMの2つに分かれていて、クリスはEXO−Mのリーダーでした。ところが14年に事務所と契約問題で対立、実質上の脱退後は独自の活動を行い、17年にはハリウッド映画に初主演も果たしていたんですが‥‥。21年にネット上で複数の未成年女性に対する性的暴行が告発されたことをきっかけに中国で逮捕。すると被害者は8人にまで上ることが明らかになり、昨年11月25日に懲役13年が宣告されたのです」(週刊誌記者)
韓国の報道によれば、カナダ系中国人であるクリスは刑期を終えた後は国籍のあるカナダに追放される予定なのだが、その際、性的暴行の再犯に走らないよう、「化学的去勢」なるものが施される可能性があるというのだ。
この報道を受け、エジプト出身の外国人女性タレントのフィフィは、「カナダは性犯罪への刑罰がしっかりしているんですね」などとツイートしているが、化学的去勢なるものに馴染みがない日本人としては、「まさかペットじゃあるまいし!?」とギョッとするのが普通だろう。
そもそも化学的去勢とは何か。
「錠剤や注射で薬を投与し、男性ホルモンのテストステロンの生成を抑えることで性欲が減退することから、性犯罪への抑止になるとされるものです。投薬を止めれば再びテストステロンが生成される可逆的な処置であるため、人権侵害には当たらないとされています。だから例えば医学の場では、前立腺がんなどのホルモン依存性のがん治療でも化学的去勢が行われています。性犯罪抑止の手段としては、ポーランド、韓国、ロシア、アメリカの複数の州などで承認されていて、カナダも同様なので、クリスもおそらくその対象になるだろうというわけです」(同)
クリスの暴行の手口としては、ファンミーティングを名目に女性をおびき出したというから極めて悪質。だが性欲が減退すればそれだけで犯罪抑止になるのかの因果関係はなかなか証明しづらい。そのため性犯罪の根本的解決にならないという声もあるようで、なんとも後味の悪さが残る話なのだ。
(猫間滋)