佐藤治彦「儲かるマネー駆け込み寺」付加年金は“2年で元が取れる”超お得な年金制度

 毎日のお仕事ご苦労様です。今は仕事をしてない方や病気と闘っておられる方もおられると思います。初めまして、佐藤治彦と申します。

 30年ほど前から経済評論家として、生活に役立つ経済の話やマネー情報、経済の動向解説などをしてきました。事実上の全国デビューはテレビ朝日の「トゥナイト」という番組でした。

 山本晋也監督や乱一世さんにテレビ番組のイロハを教えてもらいました。最近はあまりテレビに出してもらえなくなったのですが、この前、実業家のひろゆきさんと討論する番組に出ておもしろかったです。

 今回から始まる「儲かるマネー駆け込み寺」では、読者の皆さんの生活に役立つこと、お財布が少しでも暖かくなることをできるだけわかりやすく紹介していこうと思います。

 保険、住宅、貯蓄や投資、年金制度や医療保険制度、税金のこと。ちょっとわかりにくい、でも知っておいたほうがいい、お金にまつわる話をできるだけ専門用語を使わずにわかりやすく話します。

 それから、皆さんのお金を増やすための投資にまつわる予想記事も書きたいと思います。さらに、円安や物価高、国の財政についてや年金制度についての疑問や提言など、私たちの生活に大きく影響してくる経済の話もします。

 編集部から好きに書いていいと言われているので、その時に気になったことをどんどん書こうと思っています。ただし、わかりやすく。

 さて、2023年、令和5年は大変な年になりそうですよ。大変動の年と言っていいかもしれない。

 新型コロナウイルスで縮んでしまった経済は、コロナ後を見据えて本格的に動き出すでしょうし、ウクライナ戦争の動向によっては世界的な物価高にも大きく影響を与える。

 防衛費を増やすに当たって増税も検討されているし、4月にはアベノミクスを主導してきた日銀の黒田総裁の任期も終わる。日本の金融政策が大きく変わる可能性がある。すると円安にも物価にも影響を与えるからです。

 その見立ては、後日ゆっくり書かせてもらうことにして、まずは、22年に大きく変わった年金制度と、前からあるのにあまり知られていない年金のことを書きたいと思います。

 今回は字数も残り少ないので、2年で元が取れる絶対お得な国の年金制度「付加年金」の話をします。

 付加年金とは、自営業者とその妻、学生などが入る国民年金の第1号被保険者(毎月1万6590円ほど払ってる人)で、希望者だけがさらに毎月400円多く払う年金制度です。国民年金に付け加えて入るので付加年金です。多く払うのがなんでいいのかっていうと、老後にもらう年金がドンと増えるからです。 

 毎月400円、つまり1年で4800円多く払うことになりますが、例えば20歳から60歳まで40年間付加年金も入ったとしたら、4800円の40年分で、合計19万2000円多く支払うことになります。

 ですが、老後にもらう年金は、払った総額の半分の9万6000円を毎年多くもらえる。それが死ぬまで続きます。

 20歳からではなくても、例えば40歳から20年間入ったなら、20年で9万6000円多く払う。そして、その半分の4万8000円が毎年多くもらえるのです。

 多く払った年金分は2年で回収できる。つまり、付加年金は〝2年で元が取れる年金制度〟なのです。

 入り方は役所の年金担当に電話をして「付加年金に入りたい」と言うと、手続きがどんどん進みます。手続きが終わると年金の支払い額が毎月400円多く請求されます。

 国民年金を払ってる人は、付加年金も加入したほうが得ですね。早く入れば早いほど、得になるので、ぜひ、検討してください。

 年金の話をすると、ほとんどの人が年金だけじゃ老後が不安だよ、暮らせないよと言います。確かにそうです。そうだとしても、少しでも多く年金を増やす工夫をしませんか?

 次回は22年に大きく変わった年金制度を振り返りながら、少しでも老後の年金を増やす方法をお話ししたいと思います。

 では、また次回。

佐藤治彦(さとう・はるひこ)経済評論家。テレビやラジオでコメンテーターとしても活動中。著書「おひとりさまが知って得する、お金の貯め方・増やし方」(ぱる出版)ほか多数。

*週刊アサヒ芸能1月5・12日号掲載

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