WBC侍ジャパン“最強”アメリカを撃破する「V秘策」あった(2)大谷の先発はキューバ戦

 超豪華な投手リレーが展開されそうだが、一方でメジャーリーグに詳しい友成那智氏は大谷の起用についてこうも指摘するのだ。

「大谷は3月31日(日本時間、以下同)のメジャー開幕戦での先発が見込まれています。正直、先発の軸で大会を回すのは、本人がよくても球団や代理人が許さない可能性が高い」

 WBCの決勝戦は3月21日。負担の大きい先発起用を重ねると、来季の大谷の活躍に悪影響を及ぼしかねないと言うのだ。

 栗山監督も11月にイベント出演した際、「目いっぱい行きたい。勝つために全力を尽くしたい」と大谷の二刀流を示唆していたが、フル稼働には難点もあるようだ。それでも、日の丸を背負った大谷の投打にわたる活躍が見たいというのがファン心理というもの。そこで友成氏がこんな「折衷案」を提言する。

「東京開催の準々決勝ラウンド、ここにはおそらくプールAからキューバが上がってくる。今の大谷は、投手としては完全なるスライダーピッチャー。ブンブン振り回すフリースインガーの多いキューバ打線との相性は抜群です。先発で投げさせるならキューバ戦に限定するのはアリ。もしくは、DHで出場しつつ試合展開次第で抑えとして登板、という形ならあるいは‥‥」

 過剰に期待しすぎず、見られたらラッキー、というぐらいの気持ちで待とう。

 そして決勝ラウンドに進めば、準決勝か決勝のいずれかで、必ずアメリカとぶつかるだろう。アメリカ戦の「勝ちオーダー」について、野球解説者の伊原春樹氏が語る。

「メジャー投手の力のある球をとらえるために、捕手は甲斐拓也(30)よりも森友哉(27)を推します。内野には強化試合には選ばれなかったが、山川穂高(31)と菊池涼介(32)、坂本勇人(34)、サードはもちろん村上で。外野には佐野恵太(28)もぜひ加えたいですね。あとは鈴木と、出てくれるなら吉田正尚(29)。ヤクルトの塩見泰隆(29)は1番として起用したい。このメンバーならアメリカ相手でも、1、2番が出塁して中軸が還す、正攻法の戦い方ができる。栗山監督の性格上、大丈夫だとは思いますが、奇をてらわない王道の野球をしてほしいですね」

 最強打線と相対する投手陣はどうか。友成氏が〝秘策〟を伝授する。

「先発は昨季メジャー自己タイの16勝を挙げたダルビッシュと山本由、佐々木の3枚看板が軸になると思いますが、準決勝と決勝はそれぞれ佐々木と山本由が先発できるように、逆算してそれまでの試合の先発を組むべきです。なぜなら、2人ともハイファストボールとスプリッターが特徴の選手。日本式に言うと、高めの速球とフォークボールの高低差で三振を取るタイプで、これがメジャー打者の弱点。メジャーではフォークを多投する投手はかなり少ない。野茂英雄や佐々木主浩が成功したのもこのタイプだったからです」

 大会開幕は3月8日。サッカーW杯の日本代表のように、列島を歓喜に包み込んでくれるに違いない。

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