来る3月の「ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）」には、各国が威信をかけてベストメンバーを送り込む。中でも強敵は連覇を狙う野球の母国・アメリカ。名だたるメジャーリーガーを集めた最強チームを破る「V秘策」とは。
17年の前回大会では、準決勝でアメリカに惜敗し、2大会連続ベスト4に終わった日本。第1回、第2回と連覇したものの、コロナ禍での開催延期もあり、14年の長きにわたって栄光から遠ざかっている。
今春のWBCで3度目の優勝を期待する声は大きい。だが、当然ながら今大会に背水の陣で臨むのは、日本だけではない。米国も、真剣に覇権を狙っている。
メジャーリーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏が言う。
「以前は一線級の選手があまり出たがらなかったWBCですが、最近は出場を熱望するスター選手も増えてきました。決勝ラウンド以降で日本と当たるアメリカ、ドミニカ共和国、プエルトリコは、いずれもメジャー球団で上位打線を担う選手が揃っている。中でもやはりアメリカは、エンゼルスで大谷翔平（28）と同僚のマイク・トラウト（31）をはじめ、これまで以上に本気のメンツで優勝に懸けてきています」
野手では18年ア・リーグMVPのムーキー・ベッツ（30・ドジャース）、本塁打王3回のノーラン・アレナド（31・カージナルス）。投手を見ても昨季12勝を挙げたヤンキースの変則左腕、ネスター・コーテズ（28）や、サイ・ヤング賞3回受賞のベテランエース、クレイトン・カーショウ（34・ドジャース）など、通算350本塁打、シーズンMVP3回のトラウトに負けない名実一体の選手がズラリ。これは確かにWBC史上「最強のアメリカ」と呼ぶにふさわしいラインナップだろう。
もちろん栗山英樹監督（61）率いる侍ジャパンだって負けてはいない。早くから参加を表明していた大谷、ダルビッシュ有（36）、鈴木誠也（28）のメジャー組に加え、日本からも村上宗隆（22）や山本由伸（24）、佐々木朗希（21）といったスター選手の大集結が確実視されている。
日本がWBCで優勝するためには何が必要か。西武やオリックスで監督を歴任してきた野球解説者の伊原春樹氏が解説する。
「11月の強化試合を見ても、栗山監督は今まさに旬の選手を選んできた、そういう印象があります。ここに大谷やダルビッシュ、あるいは国内から複数選手が加わるわけですが、短期決戦はやはり投手力が重要。私は、大谷は投手に専念すべきだと思う。二刀流で負担をかけずとも、DHを任せられる選手はいますよ。単純に、サードを村上に任せれば、岡本和真（26）が余りますしね。大谷、ダルビッシュ、佐々木、山本由を先発で回して、抑えは22年バリバリやった大勢（23）に任せたいね。宮城大弥（21）や伊藤大海（25）ら若くていい先発投手もいるから、彼らに短いイニングを投げさせてもいい」
まさに日本のドリームチーム。1月末に予定されるメンバー発表が待ち遠しい。
