「2022年 NHKで起きた放送事故」反戦歌がフリーズ、恥ずかしすぎる誤読も

「確かな情報や、豊かな文化を育む多様な番組をお届けするために」——。NHKのHPに受信料制度の理由の1つとしてあげられている文言だ。ところが、2022年は不確かな発言や、豊かな文化を台無しにする放送事故もあった。

 確かな情報を伝えるはずのニュース番組にトラブルが起こったのが、2月21日放送の午後3時のニュース。10分間のニュースが放送される予定だったが、なぜかほかの番組を放送。同日午後4時のニュースでアナウンサーが「放送設備の不具合のため、午後3時のニュースをお伝えできませんでした。申し訳ありませんでした」と理由を説明し、謝罪した。

 8月6日放送の音楽番組「ライブ・エール」では、約10秒間も画面がフリーズする放送事故があった。番組終盤、歌手のMISIA、加藤登紀子、小林武史が世界で一番有名な反戦歌といわれる「花はどこへ行った」を歌唱するVTRが約10秒間、停止してしまったのだ。MCを務めるお笑いタレント・内村光良と同局の桑子真帆アナは「大変申し訳ありません。機材トラブルがありまして」と頭を下げた。

 音楽文化を伝える番組に水を差してしまったが、8月14日に同番組を再放送。問題のVTRは停止することなく流れ、視聴者を安堵させた。

 兵庫県内で10月4日に放送された「Live Love ひょうご」では、NHK神戸の契約キャスター・森麻衣子アナが痛恨の過ちをおかした。世代のくくりについての話題の際、男性アナが「みなさんは何世代でしょうか?団塊やバブル‥‥」と話し出したところで森アナが割って入り、「だんこん」と男性アナの〝団塊(だんかい)〟という言葉を言い直してしまったのだ。数秒の沈黙後、男性アナは再び「団塊や‥‥」と話し始め、森アナも「だんかい! だんかい! ごめんなさい!」と慌てて訂正した。

「森アナは団塊の読み方を〝だんこん〟と本気で思い込んでいたようです。男性アナが誤読をやらかしたと思って、〝だんこん〟と間違った読み方で訂正を入れたのが痛すぎました。しかも、言い間違えたのがNHKには特にそぐわない響き。視聴者の間でも〝はしたない〟という声が続出しました」(テレビ誌ライター)

 今年の放送事故を教訓として、23年はもっと確かな情報と豊かな文化を伝えてもらいたい。

(石田英明)

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