「惜しむ声」の一方で…ゲオ「買い取り終了」でわかったCD時代「本当の終焉」

 レンタルビデオ店大手「ゲオ」は、9月末でCDの買い取りを終了した。今後もCDの販売は継続するというが、在庫がなくなれば取り扱いも終了すると見られ、進む音楽の「サブスク化」に、「CDを買うという高揚感がなくなるのは寂しい」など、惜しむ声が上がっている。

 ゲオが買取サービスの終了を発表したのは9月7日。理由は明らかにされなかったが、まだまだCDを現役で聞いているという人たちも少なくないようで、ネット上では、《CDも買い取ってもらえなくなる時代か。売ってもくれなくなる未来はそんなに遠くないだろうし、CD世代としてはなんとも言えない気持ちになる》《CDって、買ってから家まで帰るまでのワクワクがたまらないんだよね。サブスクにはそれがないから、CDが衰退していくのは本当に寂しい》《サブスク全盛の時代だけど、まだCDじゃなきゃ聞けない音楽もあるんだよね。そういうのは、どんどんプレミア化していくのかな…。残念だ》など衰退していくCD文化を惜しむ声が相次いでいる。

「2020年にはアメリカでCDの売上をレコードが上回るという1986年以来の現象が起き、イギリスでも同様の現象が起きています。CDはレコードやデジタルサウンドと比べ特段音質が良いということもなく、コレクターズアイテムとしての希少価値もそれほど高くありません。残念ながらCDはレコードのような復活はないでしょう。今後は、普段はサブスクで音楽を聴き、コレクターズアイテムはレコードで収集するという二極化が進むと見られています。ゲオがCDの買い取りを終了したのも、そうした背景があるからでしょう」(フリージャーナリスト)

 一抹の寂しさはあるものの、時代の趨勢には抗えないということか。

(小林洋三)

ライフ