アポなし訪問を弁明も…旧統一教会の会見で指摘された“誇張シーン”

 国会審議で教団の解散命令請求への気運が高まる中、10月20日に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が会見を開いた。勅使河原秀行・改革推進本部長が「アポなし訪問」について弁明する場面が見られた。

 勅使河原氏は、元妻の信者が多額の献金を行い、長男が自死を遂げた橋田達夫さんについてこう振り返った。

「前回10月4日の記者会見の時に、確かTBSの村瀬さんだったと思いますけど、橋田さんがですね、非常につらい思いをしておられるにもかかわらず、その声を家庭連合が聞いてくれない。相談に乗ってくれないということで」

 その後、勅使河原氏は家に帰ってネットでTBS「報道特集」(10月1日放送回)を見たという。番組では、橋田さんの元妻が教団に多額の献金をしたことで長男が自死したことを報道。橋田さんは取材班と教団の高知教会を訪ねたが、門前払いを受けていた。このシーンについて勅使河原氏は、薄ら笑いを浮かべながら、右手でドアをたたくようなジェスチャーを見せながら、「確かに橋田さんが教会の前でですね、ドンドンドン。その後ろにテレビカメラがいるからだと思いますけど、誰も出てこない映像がありました」と振り返っていた。あたかも橋田さんが教会のドアをたたいていたかのような印象を受けるが‥‥。社会部記者は「ひどい誇張」と指摘する。
 
「勅使河原氏が言っていたように、ドアをたたくようなシーンはありませんでした。橋田さんは教会の人間と携帯電話で話をしながら、外に出てくるよう訴えかけていました。『今おりてきて話を聞いてや』と話しかけるも、教会側の人間はこれに応じませんでした。橋田さんはドアに『関係者以外立ち入り禁止』と書かれた紙を指して、ドアを開けて入っていくわけにはいかないと述べ、ドアにはいっさい触れていません。にもかかわらず勅使河原氏は、あたかも橋田さんがドアをたたいているような印象を与えていたのは驚きました」

 その後、会見で勅使河原氏は「それであの会見の時、私はあの、村瀬さんの質問に対して『もし現場の人間が対応しないのであれば、私がかわって対応いたします』という話を申し上げました」と述べ、「滅多に高知に行く機会が作れない」「どうせ行くんだったら(元)奥様の意見も聞いてみたい」といった思いから10月16日の「アポなし訪問」につながったと説明した。

 橋田さんに対して「メディアに出ないでください」と“言論封殺”をはかったことについては、完全否定した勅使河原氏。会見を生中継で伝えた「ミヤネ屋」(読売テレビ)では、橋田さんが出演し、「そこまでやる?普通?」と憤慨。「僕は事実しか言ってない。『ミヤネ屋』でもそう、全部そう。TBSもそう。ずっと僕は事実を積み上げてきたわけですからね」と反論した。
 
 果たして「メディアに出ないでほしい」という発言はあったのか。真相究明への動きに注目が集まりそうだ。

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