本当にスポーツファンをバカにしている。加藤浩次ならずとも、そう感じたに違いない。
7月4日、東京五輪組織委員会は、五輪観戦チケットの1次抽選で当選しなかった人の救済策として8月に「セカンドチャンス」の実施を発表した。
一次抽選の当選発表は6月20日。ところが、数十万円分を申し込んでも「1枚も当たらなかった」人が続出。一方で、複数枚をゲットした人もおり、当選したのに購入しなかった人も多数いたと思われる。組織委員会は「セカンドチャンス」と称して落選者救済を謡ったが、どうやらそうした“未購入分の処理”という事情も透けて見える。組織委員会は、一次抽選での購入枚数は322万枚と発表。「セカンドチャンス」では、数十万枚規模のチケットを販売する予定だという。
これに、7月5日放送の「スッキリ」(日本テレビ系)でMCの加藤浩次が噛みついた。
「加藤さんが怒ったのは、セカンドチャンスに出されるチケットの内容です。今回売り出されるのは観客席数の多い種目の予選ラウンドが主で、人気種目の決勝等は入っていない。開会式、閉会式も対象外。そうした人気チケットは秋以降に行われる2次抽選に回されると見られています」(テレビ誌ライター)
加藤は番組の中で「僕は納得いかないんですよ」と語気を荒らげ、「1倍にいかなった分と入金しなかった分のチケットがある。じゃ、それ全部セカンドチャンスで出せよってこと。なんで出さないの?」「開閉会式も入金しない人がいたと思う。それがなんで出てこないの、セカンドチャンスに。残ったチケットをドーンってセカンドチャンスで出しますだったらわかるけど、開会式閉会式は2次抽選に回してる。やり方が汚ねえ!セカンドチャンスは余ったチケット、残ったチケット全部出してくださいよ!それが正式なルールじゃないの!なんで勝手に精査して選んじゃってるの。汚くない?やり方」と、いつにも増して熱く抗議した。
SNSに上がった意見でも加藤に同調する人が大半で《主催者側が五輪を見たい人を弄んでる》《まるでブラックじゃん》《税金使って開催して、なんで国民がバカにされてるの?》と怒り心頭だ。
「購入しないケース対策か、セカンドチャンスでは申し込めるチケットが1人1種目のみ。組織委はここで余っているチケットを売りたいところでしょうが、倍率の低そうな不人気種目に応募して当選してしまうと不利益を被る可能性もある。というのも2次販売が抽選に変更されたことで、秋に行われる2次抽選では、初回とセカンドチャンスの落選者が優遇される可能性が高いのです。しかも、予選ラウンドの日程や組み合わせも発表されておらず、日本選手がどのセッションに出るかもわからない中で売り出すのはアンフェアだとして、スポーツライターの小林信也さんなどは『ダイヤモンドオンライン』の記事でセカンドチャンスのボイコットまで提唱しています」(同前)
新国立競技場のデザイン選定から、五輪ロゴマークの盗作騒動、そして今回のチケット抽選まで、問題が続出する2020東京五輪。大会の成功のためにも、加藤浩次に代表されるこうした国民の怒りの声に耳を傾けて、とにかくフェアな運営をお願いしたいものだ。
(山田ここ)