この資格でナンボ稼げる?(26)中国で日本の絵本がバカ売れ「中国百科検定」

 突然ですが、現在の中国でバカ売れしている日本の本をご存じですか。それは絵本。児童書を手がけるポプラ社は、16年だけで17億円もの売り上げを記録したそうです。

 なにしろ子供の数が違いますからね。17年の出生数を見ると、なんと1700万人以上。日本のおよそ17倍もの子供が誕生している計算になります。しかし、成功の理由はそれだけではありません。重要になってくるのが、その教育習慣。実は中国では、小学2年生ぐらいから詰め込み教育が始まるそうで、親が口を挟む余地はほとんどなくなるそうです。そのため、ママさんたちは「せめて小さいうちは、うちで情操教育を‥‥」と絵本を買い求めているというわけです。もしかしたら、こうした事情を踏まえての中国進出だったのかもしれませんね。

 前置きが長くなりましたが、中国でビジネスチャンスをつかむために、ぜひ押さえておきたいのが、「中国百科検定」。これは中国語に限らず、中国の歴史・地理・政治・経済・社会・スポーツといった幅広い知識が学べる検定です。

 それでは実際に例題を見てみましょう。

〈問1〉次のうち、中国と日本が共に加盟している国際機関・枠組みは①上海協力機構、②アジアインフラ投資銀行、③アジア開発銀行、④環太平洋パートナーシップ協定(TPP)のうちどれ?

〈問2〉中国は過去に一度だけサッカー・ワールドカップ本戦に出場しているが、その開催年は①1998年、②2002年、③2006年、④2014年のうちどれ?

 この検定は初級、3級、2級、1級、特級に分かれており、初級から1級は四者択一のマークシート式、特級は記述式で出題されます。例題の答えは〈問1〉が③、〈問2〉が②となっています。

 私は1級まで合格していますが、2級までなら過去問や市販の参考書さえしっかり勉強すれば、合格するのはそれほど難しくはないでしょう。

 さて、私が実体験として感じたことですが、ビジネスシーンにおいても日本人と中国人には大きな違いがあります。

 私の友人に中国人経営者がいるのですが、彼はいい意味でとてもドライな性格です。日本企業に見られる派閥争いのような内輪のゴタゴタをものすごく嫌い、そういう場面に出くわしても彼は我関せずと見向きもしません。

 また、彼は自分の会社で飲み会などを絶対に開催しません。その理由を尋ねたところ、「終業後に社員を束縛しても、行きたくない人だっているわけだし、もしやるなら就業時間内にやるよ」とのことでした。

 仕事とプライベートをきっちり分ける中国的な考え方は、見習うべき点もあるのではないでしょうか。

 もちろん人の性格は十人十色ですが、中国旅行に出かけたり、もしくは訪日中国人にお土産を勧めるような場面でも、こういった商習慣の違いを知っておいて損はないでしょう。

(すずき・ひであき)

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