日本の“いだてん”サニブラウン選手を支援する「国のプログラム」があった

 9月にカタールのドーハで行われる世界陸上選手権の代表選考会を兼ねていた、日本陸上選手権。6月の全米大学選手権の男子100メートル決勝で9秒97の日本新記録を樹立したサニブラウン・アブデル・ハキーム選手と、前日本記録保持者の桐生祥秀選手による史上初の9秒台対決に注目が集まり、結果はサニブラウンが桐生に0秒14の差をつけて優勝した。

「おおかたの予想はサニブラウンの優勝ではありましたが、桐生も、3位に入った小池祐貴もいい走りで、今後に期待できるものだったと陸上関係者は語っています。サニブラウンは筋力とともに技術も向上し、アメリカを拠点に練習を積み重ねている成果がしっかり出ていると言えます」(スポーツライター)

 サニブラウン選手は、2017年9月から陸上の強豪であるフロリダ大学に留学中だが、この環境を後押ししているのが日本スポーツ振興センター(JSC)の有望アスリート海外強化支援プログラム「ターゲットアスリート」だ。

「これは東京オリンピックや、その次の北京オリンピックで活躍する選手を育成するため、海外での練習やトレーニングをサポートするプロジェクトで、サニブラウン選手は2016年10月に対象アスリートに認定されています。認定選手の条件は、23歳以下で競技団体の推薦で選抜されます。選ばれた選手は海外遠征に必要な支援を受けられるだけでなく、本人以外のコーチやトレーナーの費用、家庭教師の費用まで支援を受けられる手厚いものなんです」(前出・スポーツライター)

 サニブラウン選手以外では、7月2日発表の卓球世界ランキングで日本勢トップの4位だった張本智和、女子卓球からは平野美宇、伊藤美誠、早田ひなの3人、2018年の世界柔道選手権でともに優勝を果たした阿部一二三、芳田司、4月の世界水泳の代表に選ばれた女子高飛び込みの金戸凛らが選ばれているが、それぞれの活躍は目覚ましく、まさに国をあげてのサポートが東京五輪に向けて花開こうとしていると言えよう。

(芝公子)

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