アマゾンで老舗の「どら焼き」が定価の7倍!無断転売はなぜ起きるのか?

 6月27日、東京・銀座の老舗和菓子店「木挽町よしや」の公式ツイッターで、同店の看板メニューの“どら焼き(5個入り)”が、通販サイトのアマゾンで約7倍の4980円という高値で無断転売されていると報告され、大きな話題となった。
 
「アマゾンでは、かつて鎌倉銘菓の『クルミッ子』が定価の2倍以上の値段で転売されていたこともあり、入手困難な人気の食べ物を高値で売る行為が後を絶ちません。なお、『木挽町よしや』のどら焼きは、店側がクレームを入れたことで、28日には商品ページが削除されていたそうです」(ネットウオッチャー)

 食品を勝手に高値で転売する行為に違法性はないのだろうか。事情に詳しい専門家に話を聞いた。
 
「食品を転売する行為を食品せどりと言いますが、これ自体には違法性はなく問題はありません。物を転売する場合には古物商許可証が必要になることもありますが、酒類を転売する以外の食品せどりには特別な許可は必要ありませんし、価格も転売者が自由に決めて構わないのです。そのため、今回の『木挽町よしや』のどら焼きを転売したことも違法性は特にないのです」

 では、こうした転売をやめさせることは不可能なのか。
 
「まずは店側が『転売目的での購入はお断りします』と注意喚起することですね。店には売らない権利もありますから、怪しい大量注文などを断ることができます。また、『木挽町よしや』のどら焼きは賞味期限が3日から夏場は1日とのことですので、“賞味期限の問題があるから”としっかりECサイト側に理由を説明し、転売商品を掲載しないように伝えておくことが一番だと思います」(同)

 便利さの一方で、何がどこで売られるかもわからない、厄介な世の中である。

(小林洋三)

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