9月26日、ロシアからヨーロッパに天然ガスを送るパイプライン「ノルドストリーム」で大規模なガス漏れが確認されている。
「パイプライン4カ所からガス漏れしたが、直前までロシア海軍がいたことが確認されている。これから厳冬を迎える欧州は、エネルギー節約を迫られ我慢の冬になりそうです」(国際ジャーナリスト・山田敏弘氏)
ウクライナ支援を続ける欧州諸国だが、ことエネルギーにおいてはロシアに依存するだけに、厳しい現実が待ち受けているのだ。
「確かに欧州各国はウクライナ支援疲れが出ているが、ウクライナが負ければ、余計にトラブルが増える一方なのです。エネルギーの依存度を下げ、今後もウクライナ支援をする一手しかない」(軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏)
天然ガス遮断によるエネルギー兵糧攻め以外にも、ロシアが冬将軍を味方につけることが予想される。
「ロシア人を刺激する言葉は『大祖国戦争』、つまり独ソ戦です。かつてヒトラーを撤退させた歴史がある。冬場になれば自分たちは耐え忍び、その一方で電気・ガスなどエネルギーを遮断されたウクライナ国民は疲弊することが予想される。冬場になれば天候が荒れ、ウクライナ軍が有効に使うドローンなどハイテク兵器が有効でなくなる可能性もあります。それでも、無理やりかき集められた士気の低いロシア兵がまともに戦えるとは思えない。この先、戦争が長引けば戦力の差は出てくるでしょう」(軍事ジャーナリスト・井上和彦氏)
やはり、これ以上の無駄なドロ沼戦はロシアにとって不利に働くというのだ。
山田氏が看破する。
「ロシアはスタート地点を平気で変える国です。最初はゼレンスキーをネオナチと名指し、政権を替えることを狙ってキーウ近くまで攻め込んだ。ところが、いつの間にか東部のロシア系住民を解放することをゴールにしているのです。それすらかなわなければ‥‥」
朝令暮改と場当たり戦術のプーチンが、逆ギレして核を乱射するのだけは願い下げだ。
*週刊アサヒ芸能10月20日号掲載