「やよい軒」がついに「最大30円値上げ」も利用客に支持されるワケ

 定食チェーン「やよい軒」は、9月1日から一部商品の価格を改定し、最大で30円の値上げを実施した。6月1日にも「カットステーキ定食」などの価格を改定しているため今年2度目の値上げとなるが、それでもネット上では支持する声が相次いでいる。
 
「6月に値上げされたのは肉系の定食6商品のみでしたが、今回の対象は定食、丼、サイドメニューなど幅広く、およそ50商品が値上げされました。中でも『しょうが焼き定食』は640円(以下税込)から670円に、『から揚げ定食』は690円から720円に値上げされるなど人気の定番商品も次々と価格が改定されるということで、当初は利用客からもショックの声が聞かれました」(フードライター)

 しかし、ネット上では徐々に《値上げしたと言ったって微々たる額だし、すごく良心的な価格だと思う》《値上げ後の価格でもガッツリ食べたい人にとってはコスパ最強だし、ヘルシーな定食も多いから女性もありがたい》《から揚げ定食が700円台になったのはショックだけど、それでも他の定食屋に比べれば十分安い》など好意的な意見が広がっている。
 
「『やよい軒』が値上げしても支持される理由は、まず1つ目に『ごはんおかわり自由』と『無料のだしサービス』の継続が大きいでしょう。一時期、ごはんのおかわり有料化を一部店舗で試験導入したことで炎上したこともありますが、おかわり自由さえあれば値上げも許せるという利用者も多いようです。2つ目は、値上げが最大30円と比較的小幅だったこと。同じく9月1日から値上げを実施した『幸楽苑』は最大90円アップで、6日からは『デニーズ』で最大80円値上げしていることから、明らかに『やよい軒』の値上げ額は良心的に見えますからね。そして3つ目が、値上げのタイミングで、人気の定食が何度でも100円引きになるクーポン『なんどもパス』をアプリで配信したことです。この太っ腹ぶりが値上げの残念感を打ち消している面はあります」(前出・フードライター)

 ライバルである定食チェーン「大戸屋」はコロナ禍になってからいまだ値上げを実施していないが、それでも「やよい軒」を支持する声は根強い。

(小林洋三)

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