実施の是非をめぐり国論を二分する安倍晋三元首相の国葬が9月27日に迫る中、“安倍元首相関連グッズ”が「メルカリ」などのフリマアプリで取引され始めている、というので覗いてみた。
「安倍元首相」で検索してみると、あるわあるわ。書籍やバッジ、名刺、ポスターなど、その数は数百点。商品説明に《自民党の元内閣総理大臣 安倍晋三さんのポスターです。新品未使用ではありますが、丸めて保管していたためシワが見受けられます。完全美品をお求めの方はご遠慮ください》と記されたA1ポスターは送料込みで8,888円。フィギュアが4000円などなど。なかでも高値で出品されているのが、「平成26年 27年 桜を見る会 安倍晋三 内閣総理大臣 枡 胸章リボン」と題された計3点で21,882円。また、「元内閣総理大臣 安倍晋三書『不動心』色紙」が15,000円。
「一時期は、『安倍元首相 最期の演説地の石』『最終演説地の石』などと題され、銃撃事件があった大和西大寺駅前で拾った石が複数ユーザーから出品されていたこともありますが、さすがに不謹慎とあって削除されたようです。ただ、相変わらず、当日の新聞や号外は出品されていて、なかには新聞の号外をTシャツにプリントして、3,200円で出品しているケースもあります」(フリマユーザー)
そして案の定、出現したのが「国葬Tシャツ」だ。
メルカリに出品されている「国葬Tシャツ」には、白地に四角い水色の背景に日本国旗と「国葬賛成」の文字を入れた賛成Tシャツ(2980円)と、白地に赤く燃える炎と黒いドクロに「国葬反対」の文字が入った反対Tシャツ(3580円)とがあり、《不謹慎で大変申し訳ありません》と但し書きはあるものの、その商魂の逞しさには舌を巻くばかりだ。前出のユーザーも呆れてこう語る。
「ネットやスマホアプリで個人売買しているユーザーたちは動きが素早いので、ささっと売って、ささっと引き上げるケースがほとんどなのです。ですが、国葬問題はこれから2週間、連日メディアで取り上げられることになるでしょうから、関連グッズに高値が付く可能性があり、今後もおかしな商品が現れる可能性は否定できません」
日本人のモラルが問われている今、国葬で参列者に渡された品々が、ネットで売買されないことを願うばかりだ。
(灯倫太郎)