コロナ感染で第7の大波が到来する一方で、国外で感染が広がってWHO(世界保健機関)が「緊急事態」宣言を発していた「サル痘」で国内感染者2人が見つかり、こちらにも注目が集まっている。
そんなさなか、ぺニシリンという「奇跡の薬」の発見により脅威の無くなった「梅毒」の国内感染がなぜか拡大。しかも倍増と言えるペースで増えているのだという。
「国立感染症研究所によると、7月16日までに報告された梅毒の感染者が6106人にもなっていて、21年の7873人に早くも迫る勢いで増えています。1940年代には国内に20万人はいるとされた梅毒は、45年にペニシリンが開発されるとその数は急減。90年代は年600人程度まで減っていましたが、16年には4000人を超えて、18年の7007人といったように、多い時で7000人を超えるペースでこのところ感染者が漸増していました」(週刊誌記者)
今年の数字を見るとこのままでは1万人を超えそうな勢いで、約半年で多い年の数字とそん色ないのだから、まさに急増といっていいだろう。
そして急増の理由を見ると、近頃も話題になった“あの問題”が浮かび上がってくるのだとか。
「報告患者数のうち、およそ3分の1が女性ですが、その女性感染者の年齢としては、10〜20代前半の若い女性が突出しているんです。そこで理由として考えられているのが、SNSを通じたカジュアルな性行為の問題です。そこにはいわゆる『パパ活』を通じた交わりも相当数カウントされると思われます。また梅毒はいわるゆ本番と言われる営みだけでなく、口でする行為でも感染するので、金銭の授受を伴った軽い気持ちでの男女の接触が拍車をかけているものと思われます」(同)
そこには格差社会の犠牲となっている若い女性や、女性の貧困といった社会経済関係の問題が背後にあるように思われる。
梅毒は3〜6週間の比較的長い潜伏期間を経た後、皮膚の腫れや潰瘍が出た後、数週間で消えることがあり、放っておいたら治ったと勘違いしやすい。すると第2期が約3カ月後に出て、また消えることがあるので、処置をしないと第3期の全身の炎症や第4期の脳や心臓、血管での麻痺や動脈瘤にまで進んでしまうことも。また妊婦に感染すると、子供に後遺症が残る恐れがある怖い病気なのだ。
思い当たる性的接触と体の異変が生じたら、迷わず医者にかかるべきだろう。
(猫間滋)