サンリオの大ヒット商品の影にP活あり!? GUCCI「財布論争」の行方

 3月7日、Twitter上で「GUCCIの財布」というワードがトレンド入りして以降、未だネット上で議論を巻き起こしている“GUCCIの財布高校生にはまだ早い”論争から、現代の“パパ活ブーム”を考える。
 
 論争の発端となったのは高校生の娘を持つ父親のあるツイートだった。現在は削除されているが、ツイートには「高1娘が誕プレにGUCCIの5〜6万の財布を『みんな持ってる』とねだってきて断ったら泣いてたが、こういうのはバイトなりで先ずお金を貯めて最後の一詰のところでねだるべきだしそもそも高校生には早い、と。物欲感覚崩れるとP活の危険も。。最近の中高生はやはりネットでいろいろ狂うんだよな」と、ハイブランドの財布を高1の娘に簡単に買い与えるべきでないという父親の主張が綴られていた。投稿主は金銭感覚が乱れることで「P活」=パパ活界隈に踏み込んでしまうことも危惧している。
 
「たかが財布のひとつくらいで」と思う人もいるかもしれないが、その財布ひとつのために少女達が自身の価値を金銭に換えてしまったという事例もある。90年代に大ヒットしたサンリオのある商品の開発秘話には現在の“パパ活ブーム”に通じるものを感じる。
 
「当時流行していたキルティング素材のレザー製品を模した小物に、花飾りをつけたハローキティの刺繍が印象的なサンリオの『ピンクキルト』シリーズは、現代でも復刻商品が発売されれば即完売になるほど根強い人気を持つサンリオの象徴的なヒット商品です。これをデザインしたハローキティ3代目デザイナーの山口裕子氏は、サイン会で女子高生と直接会話をした際に《どうして援助的交際なんかするの?》と聞いたことがあるそうです。それに女子高生は《ブランドの財布が欲しいから》と答え、ブランド財布は《キルティングしているところが可愛い》と援助的交際をしてまでブランド財布を買いたいのだと話したそうです。ハローキティの『ピンクキルト』シリーズは、女子高生がP活をしてまでブランド財布を欲しがることを憂いた山口氏が、女子高生たちのためにデザインしたという逸話があります」(経済誌ライター)
 
 SNSが浸透し、他人の持ち物や流行りものが簡単にチェックできてしまうことで、現代の女子高生は「GUCCIの財布みんな持ってる」と思ってしまうのだろう。低年齢層の“ハイブラ”志向が著しく見られる現代では、安易にパパ活の世界に足を踏み入れ、性被害に遭うケースも多い。低年齢層の“ハイブラ”志向は、90年代に援助を介した交際が社会問題となった背景によく似ている。
 
 顧客の需要をいち早く察知してきたサンリオなら、現代の“ハイブラ”ブームでも新たなヒット商品を生み出すかもしれない。

(浜野ふみ)

*写真はイメージです

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