米メディアが、トランプ元大統領「統一教会癒着」を相次ぎ報道するワケとは?

 安倍晋三元首相への狙撃事件をきっかけに、次々と浮き彫りになっているのが、政治家と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)とのタダならぬ関係だ。

 特に参院、衆院含め実に100人近くの議員が、旧統一教会系団体等と何らかの関わりがあると報じられる自民党では26日、茂木敏充幹事長が「党として組織的関係がないことをすでにしっかり確認している」と釈明。しかし、そんな舌の根も乾かぬ翌27日には、田畑裕明総務副大臣が代表を務める政治団体が、旧統一教会の関連団体「国際勝共連合」「世界平和女性連合」に会費を支出していたことが発覚。火消しどころか、火に油が注がれ、その勢いは日を追うごとに増すばかりだ。

 そんな中、トランプ前米大統領が26日、首都ワシントンで演説し2024年の次期大統領選への再出馬に強い意欲を示すと、米メディアもこぞってトランプ氏と旧統一教会とのズブズブな関係を大きく報じている。米国情勢に詳しいジャーナリストが語る。

「共和党の中でも、特にトランプ氏と旧統一教会とが深い関係にあることは周知の事実。トランプ氏は昨年9月、旧統一教会の友好団体UPF(天宙平和連合)がオンラインで開催したイベントで演説したのですが、創設者の文鮮明氏と、文氏の妻でUPF総裁の韓鶴子氏を『総裁らの業績は世界平和、より良い未来に向けて弛みなく働くこと、決してあきらめてはならないことを思い起こさせてくれます』『私が最も尊敬し称賛するワシントン・タイムズを創刊していただいた総裁の亡夫である文鮮明師に対しても感謝の意を述べたい』と、これ以上ないほどの言葉で持ち上げています。相当深い間柄であることは間違いないでしょう」

 実は、この「ワシントン・タイムズ」こそが、トランプ氏を熱烈に支持する保守系メディアで、共和党に対しても大きな影響力を持っているとされている。

「日本同様、アメリカでも支持基盤を固めやすく、政治資金や集票に直結することから、政党が特定の宗教団体に協力を仰ぐというケースは少なくありません。結果、ズブズブの関係が出来上がってしまうというわけです」(同)

 米メディアの報道によれば、文鮮明氏は1950年代からアメリカで布教活動を始め、1970年代に移住。74年のウォーターゲート事件で弾劾危機にあるニクソン元大統領擁護のため、議会前で信者が3日間のストライキを行ったことで、統一教会の名を全米に周知させたのだという。

「『ワシントン・タイムズ』創刊後は、共産主義と戦う保守メディアとして、レーガン、ブッシュ(父)の2人の共和党元大統領から強い支持を受け、60年以上にわたり関係が続いてきました。しかし、政党を応援する活動資金はその大半が日本の信者がつぎ込んだ金で、7割以上がそうだという報道もあります。つまり、日本人が献金した金を使って米国の共和党を支持。そして、トランプと蜜月にあった安倍氏があんな形で亡くなったしまった‥‥。一説には、安倍氏がトランプ氏の大統領就任前に会談できたのも、教会のお膳立てがあったからとも言われていますからね。改めて安倍氏とトランプ氏、そして教会の複雑な関係を感じるばかりです」(同)

 結局は「政教分離」など、絵にかいた餅ということか。

(灯倫太郎)

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