専門家は即否定、「インフルも市販薬で十分」長嶋一茂の勘違い発言

 7月28日、東京都で確認された新型コロナウイルスの新規感染者は4万406人。全国では23万2946人の感染が確認され、いずれも過去最多を記録した。これを受けて7月29日放送の「羽鳥慎一 モーニングショー」(テレビ朝日系)ではひっ迫する医療現場の現状を伝えた。

 千葉市の救急車は26台あるうち23台が稼働し、出動可能な救急車はわずか3台。埼玉の病院ではこの1週間でコロナ病床40床が埋まり、医師は「これ以上受け入れるのは厳しい」と語った。

 こうした現状を踏まえてコメンテーターの長嶋一茂はこう語った。

「医療現場の人に話聞くと、対処方法としてはトランサミンかカロナール出すしかないんですよ。で、それ以上重症化したら、ICUだ、ECMOだ、人工心肺だっていう方に行くしかないんで、そっちの方に迷惑かけないように、別の人は基本的に救急車呼んだり、保健所に電話するなんてことは僕はやめてもらいたいですね」

 さらに一茂は、「市販薬で十分あるわけですから。国民皆保険だからみんなタダで病院に行って、薬がもらえるから行く」と現状を分析したうえで、「実際にインフルエンザの時は保険診療も含めてですね、市販薬で十分。たとえばタミフルとかって手に入るじゃないですか。早くそっちにすれば医療ひっ迫も起きない」と持論を展開。
 
 コロナもインフルエンザも症状によっては市販薬で十分とする一茂のコメントに物言いをつけたのが昭和大医学部客員教授の二木芳人氏。「インフルエンザ薬はその、市販薬では手に入りませんから。病院に行かないと処方してもらえませんから」と即座に否定。一瞬、宙を見つめた一茂は「ああ、処方ね」と語り、「ああ、でも保険は利くじゃないですか」とコメント。

 二木氏は「長嶋さんおっしゃるようにですね、日本国民は国民皆保険で、非常に質の高い医療にいつでも簡単にアクセスできるというところに慣れてしまっているので、医療に対する期待が大きいんですよ」と分析し、欧米ではインフルエンザにかかっても、自宅療養が一般的だと解説。それを踏まえて、日本の医療体制も「平時の医療から見直しをしていかないといけない」と語った。

 SNSでは、このやり取りを見ていた視聴者から《また一茂さんめちゃくちゃ言ってる。カロナールだって処方薬だし病院行くしかないでしょ》《医師でもないのにカロナール飲めとか暴論すぎる》といった批判コメントが殺到。生死に関わる医療の問題だけに、誤解を招く勘違い発言は勘弁してもらいたいものだ。

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