血液型で丸わかり「かかりやすい病気、かかりにくい病気」(下)感染症にも差が

 ではB型はどうか。不思議なことにマラリアなどの感染症に始まり、肺炎や脳梗塞、高血圧、Ⅱ型糖尿病、膵臓がんの項目が並ぶ。これだけ見ると、際立った特徴はないように思えるが、罹患する病気の種類が一番多いのがB型だという。

 中でも最も気をつけたいのは、早期発見が難しいとされる膵臓がんだろう。

「膵臓がんの場合は、日頃から禁煙や適正体重維持が重要です。他にも熱帯熱マラリアにかかると、O型の約4倍も重症化するリスクがあるとの報告もありますから、感染症にも注意を払う必要があります」(久住医師)

 O型は、消化器系の病気に弱いと言われている。胃潰瘍や十二指腸潰瘍はもとより、コレラに加えO157大腸菌などの感染症リスクが高い。特にピロリ菌感染は、胃がんなど他の病気の引き金になりやすいことから、早めのピロリ菌検査も必須だろう。

 循環器疾患のリスクの高さもO型の特徴だ。「フォン・ヴィレブランド因子」と呼ばれるタンパク質が、血液中に少ないことで、血液が固まりづらいため重症化しやすいので注意したい。さらに、重い交通事故など外傷によるケガを負った場合に大量出血しやすい性質もあるとか。

 久住医師はこうも語る。

「逆にO型の人は心臓病、脳梗塞などの血管系の病気のリスクが低くなることも知られています。つまりO型という血液型は二律背反的な特徴があると言えるでしょうね」

 AB型の最も際立った特徴は「重症化リスク」だ。O型の人と比較して、心臓病では1.20倍、脳梗塞では1.59倍、認知障害では1.82倍と、発症リスクが高いとの報告もあるという。

 いずれの病気も一度発症してしまうと、病気が長期化するばかりか後遺症や生活の質が低くなるといったデメリットは数知れず。病後の人生の充実を考えれば、まずは健康的な生活習慣を心がけることが肝心である。また、インフルエンザやデング熱にも感染しやすい傾向にあり、これからの季節は、頭の片隅に置いておいた方がいいだろう。

 いずれにせよ、中高年にとっては、予防が最善策なのは言うまでもない。病気を防ぐための基本的な予防法について、久住医師はこんな見解を示す。

「結局、どの血液型でも日常の健康状態をいかに保つかしかないですからね。まずは、食事ケア。バランスのよい食事が最強の健康法です。運動ケアについては無理せず、ウォーキングで有酸素運動。加えて腕立て伏せ、腹筋、スクワットといった筋力運動を行うことで十分でしょう。そして欠かせないのは睡眠ケアです。7時間睡眠が最もよく、短すぎても長すぎても死亡リスクは高まります。さらに言えばタバコについては、一念発起して禁煙することが喫煙者にとって最重要でしょう」

 人生100年時代は、寿命よりも健康寿命の長さが肝心。血液型健康法は今後、ますます注目されるに違いない。

*「週刊アサヒ芸能」7月28日号掲載

ライフ