国内だけで興行収入はハリウッド以上!独自路線を歩む中国の映画事情とは?

 映画産業の中心として世界にその名が知られるハリウッド。しかし、現在米国は世界一の映画大国ではなく、20〜21年と2年連続で興行総収入1位となったのは中国。年間制作本数もインドに次ぐ2位となっている。

 しかも、中国では外国映画の上映を厳しく規制。特に米中関係が悪化した現在、ハリウッド映画は事実上公開不可能な状態だが、昨年は朝鮮戦争を舞台にした「長津湖」が57.7億元(1166億円)で興行収入1位、続く2位の女芸人がタイムスリップするコメディ映画「こんにちは、私のお母さん(邦題)」も54.1億元(1093億円)と1000億円超えがなんと2本。日本歴代1位の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」(国内404億円)の倍以上の売り上げを記録している。

「人口が違うとはいえ、ネット動画やDVDが普及した中国でも映画は人気の娯楽です。なかでも上記2作品に続く21年の興行成績3位の『唐人街探偵 東京MISSION』は、日本人スタッフも大勢参加した事実上の日中合作映画。栃木県内に渋谷の街を再現した巨大セットが作られ、妻夫木聡や長澤まさみ、浅野忠信、三浦友和など日本の人気俳優たちも数多く出演しています」(映画ライター)

 同作は大半のシーンが日本で撮影されたが、中国は映画スタジオも巨大。浙江省東陽市の郊外にある「横店影視城」は、東京ドームの約70倍の敷地面積と世界最大の規模を誇る。7月15日から続編が公開される山崎賢人主演の「キングダム」の第1作の一部シーンもここで撮影されている。

「このスタジオがスゴいのは、自由に見学できること。紫禁城をはじめ、中国の名所がセットとしていくつも再現されており、巨大な映画村になっています。日本ではそこまで有名ではありませんが、観光スポットとしてもオススメです」(同)

 近年では世界でも人気が高まっている中国映画。エンタメの世界でもアメリカを急追しているようだ。

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