元PRIDE王者ヒョードルが母国ロシアでクーデターを主導!

 かつて“60億分の1の男”や“人類最強の男”などと呼ばれ、00年代の格闘技界を席巻した元PRIDEヘビー級王者エメリヤーエンコ・ヒョードル。一度引退したが15年に復帰し、RIZINのリングに上がったこともあるレジェンドが14日、母国ロシアでクーデターを行ったことが明らかになった。

 ただし、これは政治とは関係なく同国の総合格闘技(MMA)を統括するロシアMMA連合の話。役員たちの支持を取りつけたヒョードルが臨時役員会で会長に選出されたのだ。

「この組織はもともとトップの権限が非常に強く、前会長はそれをいいことに私物化。周りからの度重なる辞任要求にも断固拒否し、その座に居座り続けていました。ヒョードルは4月までロシアMMA連合の役員に就いており、水面下で今回のクーデターを画策していたようです」(格闘技ライター)

 全盛期のKO勝ちを彷彿とさせる今回の“鮮やかな会長就任劇”は、地元のみならず海外メディアも驚きをもって伝えている。ただし、新会長となったヒョードルを待ち受けるのはかつてないほどの逆風だという。

「ウクライナ戦争の影響で海外の試合にロシア人選手が出場するのが難しいからです。ヒョードル自身、二度目の引退に向けて19年12月、21年10月と試合を重ね、次がラストマッチのはずでした。しかし、引退ツアーを契約していたベラトールは米国の団体。試合開催が事実上不可能な状態です」(同)

 ちなみに引退試合は、モスクワの赤の広場で試合を開催する予定だったとの一部報道もある。もし実現すれば会長としても絶好のアピールの場となったはずだが、その機会が訪れることはないかもしれない。

「ロシアは昔から多くのファイターを輩出してきた格闘技大国ですが、どの選手も海外で名を上げています。引退試合を独自開催する可能性も考えられますが、ヒョードル以外は無名のロシア人選手ばかりでは国際的な注目度はないに等しい。下手するとロシアの格闘技熱が冷める可能性もあるでしょう」(同)

 クーデターまで行ってまでこの時期に会長に就任する必要はなかった気もするが…。

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