国外逃亡する給付金詐欺犯たち…元犯罪者が語る「潜伏しやすい国」とは?

 今月、約10億円の持続化給付金詐欺事件の主犯格だった谷口光弘容疑者が潜伏先のインドネシアで現地当局に逮捕。また、国税庁職員らが関与した2億円の給付金詐欺グループの主犯格と目される松江大樹容疑者も移住先のドバイから成田に到着直後に逮捕されている。

 両者に共通するのは国外逃亡だが、昔から犯罪者が外国で潜伏生活を送るのは珍しいことではない。ケースは違うが、5月末に20年の刑期を終えて出所した日本赤軍の元最高幹部・重信房子はかつてレバノンで潜伏生活を送っており、現在も国際指名手配中の岡本公三は、現地の支援者のもとで暮らしていることが明らかになっている。

 実際に国外に高飛び経験のある元詐欺犯の男性は、「横領や詐欺、窃盗などで多額の資金を手にした犯罪者にとっては定番の逃亡手段のひとつ。海外にいる間は時効停止扱いになるが、それでも金さえあればある程度快適な生活を送れる」と語るが、では、彼らにとって“潜伏しやすい国”とは一体どこなのか?

「日本人ならば断然、東南アジア。欧米と違って顔立ちが似ているので潜伏生活をするにも安心感がある。しかも、シンガポールを除けば物価も日本より安い。特にフィリピンとタイは昔から2大潜伏先として有名で、近年ではカンボジアも選ばれているようだ」(同)

 一方、松江容疑者が逮捕直前まで滞在していたドバイは、近年は金持ちが行く高級リゾートのイメージだが、

「外は耐え難い暑さだがインフラが整い、コンドミニアムは快適。金さえあれば不自由なく暮らせるが、物価は日本以上でとにかくコストがかかる。しかも、現地のアラブ系住民やインド・アフリカの出稼ぎ労働者とは顔立ちが違うので目立ってしまう。国際手配されれば、潜伏先には適さないと思う」(同)

 なお、日本が犯人引き渡し条約を結んでいるのは米国と韓国の2カ国のみ。とはいえ、今回の谷口容疑者のように不法滞在で入管当局に逮捕されることはあり、今回もインドネシアから日本に移送することで調整中だという。

 また、大金を持っていると知られたら、治安機関より先に犯罪組織に命を狙われる可能性もあるとのことで、海外でお気楽潜伏生活を満喫とはいかないようだ。

(トシタカマサ)

ライフ