「H&M」アプリで“個人情報丸見え” 原因は「アップデート時のエラー」という恐怖

 スウェーデンのファストファッション大手「H&M」は6月15日、提供するスマートフォンアプリで会員の個人情報が他のユーザーに表示されるという問題が発生したことを受けて公式サイトで謝罪。しかし、その対応を巡ってネット上では批判が収まらない状況となっている。

「14日の昼過ぎ頃からSNS上に《H&Mアプリで他人のオンライン購入履歴が表示されていて、名前や住所、クレジットカードの下4桁までばっちり見えてる…》といった投稿が相次ぎ、H&Mのカスタマーサービスにも同様の問い合わせが殺到したといいます。その後、同日の夕方頃にバグは修正されたものの同社からは何の発表もなかったため、報告を求める声が上がっていたのです」(ネットライター)

 翌15日になり、H&Mは「会員制度であるH&Mメンバーにおいて、一部のお客様の個人情報を含む過去の注文履歴が、他のお客様のアカウントに表示される事例が発生いたしました」と報告し、謝罪した。なお、原因は「ハッキングなどによる外部からの被害ではなく、社内で行ったシステム・アップデートに伴うエラーによるもの」だという。

「同社によれば、情報の悪用などは現時点で確認されていないそうですが、名前や住所、クレジットカードの下4桁など悪用される可能性が高いものだったことや公式サイトでのお詫びが問題発生の翌日になったこともあって、ネット上では《公式サイトに謝罪文載せておしまい?》など厳しい意見が寄せられています。H&Mは新型コロナウイルスの感染拡大により大きな打撃を受け、21年に全体の5%である250店舗を閉鎖させる計画を明らかにしていました。そこへきて、今回の個人情報漏れにより利用を控えるといった声も見られますから、かなり手痛いミスになったようです。それにしても、“アップデート時のエラー”によって個人情報が漏えいするというのは、考えるに企業にとってもユーザーにとって怖いことですね」(ファッションライター)

 引き続き、原因や詳細を調査して改めて公式サイトで発表するとしているが、安全性を確認するためにもなるべく早く情報を公開してもらいたいところだ。

(小林洋三)

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