米ノースイースタン大学の研究チームは先ごろ、「Amazon Echo」などスマートスピーカーの中古品の多くがリセットされていない状態で販売され、そこから簡単に以前の所有者の個人情報を引き出すことが可能だったと発表した。スマートスピーカーを処分する場合には何をする必要があるのだろうか?
「同大学の研究者らが、通販サイト『eBay』などで販売されていた中古の『Amazon Echo』を86台購入して調査したところ、約6割がリセットされておらず、以前の所有者の個人情報が保存されたままだったといいます。同商品はどんどん新しい世代のものが発表されるため、新製品が出るたびに買い替えをする人もいると思いますが、リセールする際には十分な注意が必要です」(ITジャーナリスト)
研究チームによれば、中古の「Amazon Echo」からWi-FiのSSIDやPSKパスワード設定情報をいとも簡単に抜き出せ、そこから前所有者のAmazonアカウントにアクセスすることも可能だったという。なお、AmazonアカウントにログインしてしまえばAlexaに質問して前所有者の家の近くにあるレストランなどを聞き出すことが可能であることから、大まかな住所はバレてしまう危険性がある。
「Amazon Echoは手のひらサイズなので、それほど高度なコンピューターという意識はないかもしれませんが、ディスプレイがないだけで実はタブレット端末とほとんど性能は変わらないのです。そのため、もし使わなくなったものをフリマアプリなどで売る場合はしっかりと工場出荷時の状態にリセットする必要があります。ただ、研究チームによれば、工場出荷時の状態にリセットしたとしても完全にデータは削除されないというので、どうしても心配な人は中古で売ることはせず、ハンマーなどで叩き壊す必要がありますね」(前出・ITジャーナリスト)
スマートスピーカーを処分する際には十分に注意が必要だ。
(小林洋三)