美女アナはダミー写真で男漁り!? マッチングアプリ「顔出し」が招いた恐喝被害

 今やマッチングアプリを介した男女の出会いは当たり前の時代だ。

 マッチングアプリとは、恋愛や結婚などするための出会いを目的としたアプリのこと。2020年の国内マッチングサービス市場は前年比約2割増の約620億円に拡大する見通しで、2025年には1060億円に達するとも予測されている。

 また、アプリの市場動向調査を行う「App Annie Japan」の調査によれば、コロナによる巣ごもり需要によって、緊急事態宣言下の5月にはマッチングアプリユーザーの利用時間がピークを迎えたという。

 今後もマッチングアプリ需要はますます高まっていくことが予想されるが、一方でこんな問題も顕在化してきている。

「マッチングアプリでは基本的に“顔出し”が重宝されています。相手の顔が見えないことによって、実際に会ったときに想像と全然違ったというミスマッチを防ぐためです。しかし、このご時世で顔出しはリスクしかありません。プロフィールのトップ画像に貼っている顔写真が、自分の知らないところで悪徳サイトのバナー広告、業者のアカウントのなりすまし画像などに使われることもあります。また、今はディープフェイクというAI技術を使えば、写真を合成して偽物のピンク映像なども作れてしまうため、ネット上に顔を晒すことは極力避けたほうが賢明です」(ITジャーナリスト)

 リスクは他にもある。マッチングアプリのプロフィールに掲載していた顔写真を「画像検索エンジン」や「画像検索アプリ」にかけられた場合、もしその写真をSNSやブログなどにも上げていたらアカウントが特定され、最悪住所や勤務先など個人情報がバレてしまう危険性もある。

 そうした仕組みを利用すれば次のような犯罪行為もできてしまう。過去にマッチングアプリで詐欺行為などを働いていたという男性A氏は、匿名を条件にその手口について語ってくれた。

「プロフィールのトップ画像に、別のマッチングアプリで見つけた若い女の子の写真を貼ると、たくさんの男性がつられてアプローチしてきます。男性の中には、顔出ししているにもかかわらず、『性フレにならない?』『いくら希望?』などの下品なメッセージを送ってくる人もいるため、そうしたやりとりやトップ画像の顔写真をスクリーンショットで保存。その後、SNSを特定して証拠を送りつけ、『精神的に傷ついた。示談にしてやるから金を払え。断ればSNSのフレンド全員と職場にこの証拠を送りつける』と恐喝します。あまりに高額だと警察に通報されてしまいますが、2~3万円くらいならしぶしぶ払う人もいましたね」

 同様の手口で女性をターゲットにしたこともあるという。

「マッチングアプリをやっている女性の中には『顔出ししていない男の人はNG』という人も多くいます。しかし、そういう女性はそもそも個人情報に対してのリテラシーが低いこともあり、プロフィールのトップ画像にSNSなどでも使っている顔写真をそのまま掲載しているケースもあります。以前、パパ活募集していた20歳の女子のSNSを特定したときにも、『SNS見たけど●●駅エリアに住んでいて、大学は●●なんだね。パパ活なんてやってることを親や友達に知られたらまずいよね』と、脅かして呼び出したこともありました。さすがにお金までは取りませんでしたが…」

 10月に発売された写真週刊誌「FLASH」では、美女アナがかつてマッチングアプリを使用していたことを“元カレ”が暴露。記事によれば、その美女アナはダミーの写真を使って男漁りをしていたようだが、彼女にならって、ネット上での顔出しは危険が伴うことを肝に銘じておきたいところだ。

(橋爪けいすけ)

ライフ