ステーキ専門店の「いきなり!ステーキ」が6月17日より、フードコートを除く全店舗で“コースメニュー”をスタートさせたのだが、これが迷走感をさらに際立たせているようだ。
「ステーキ、スモールサラダ、ビーフスープ、ガーリックライスに好みのドリンクをセットにしたサービスなのですが、ネット上では《いきなり感が完全にゼロになった》と、一部で批判的な声が飛び交っている。『いきなり!ステーキ』では同日、一部店舗で販売していた『ステーキカレー』も全店での提供を開始、その直前には5月16日から一部店舗で展開していた牡蠣メニューの『いきなりオイスター』の販売店舗を順次拡大していくことを発表するなど、かなりのテコ入れを図っているのですが、打ち出せば打ち出すほど冷ややかな反応が増える事態となっているんです」(フードジャーナリスト)
その批判内容の中には、《また分かりやすく迷走している》《“コース”自体、いきなり!の良さをもろに消している》《急激に店舗を増やして失敗し、今度はメニューをいじって失敗するのか》などの痛烈なものもある。
「展開するペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長たっての希望でスタートさせた、『いきなり!ステーキ』の米進出は失敗し、11店舗から2店舗にまで縮小。結局、同社は6月14日に米新興株式市場ナスダックへの上場を今秋までに廃止すると発表しました。これによる損失は計25億円とも言われ、起死回生の糸口探しにもがいている現状が窺えます。まずは利用者の声を聞き、足元の地固めからの再スタートが求められているのでは」(同)
以前の勢いを再び取り戻すことができるか。
(小林洋三)