「いきなり!ステーキ」インドネシア初進出の成功が導く国内店不振からの脱出

 7月1日、ペッパーフードサービスが展開するステーキチェーン「いきなり!ステーキ」が、インドネシアに初進出を果たした。海外店舗はこれで5店舗目となる。

 インドネシア1号店は現地法人マクムール・プリマ・ステーキとフランチャイズ契約を結び、首都ジャカルタ北部にある商業施設「リッポー・モール・プリ」にオープンした。メニューはステーキ5種を中心にチキンステーキやハンバーグなど基本的には日本と同じメニューが提供されている。価格は日本よりも約2割ほど高くなっているが、プレオープン時には1日あたり400人が訪れたといい、特に高価格帯のステーキがよく注文されたという。

 いきなり!ステーキはインドネシアで成功する可能性が高いと、グルメジャーナリストは言い切る。

「もともとは姉妹店だったステーキチェーンの『ペッパーランチ』は、すでにインドネシアを中心に世界14カ国で315店舗を展開するなどジャパニーズステーキ旋風を巻き起こしていますからね。かつてアメリカの進出が失敗した影響で慎重になっていたのかもしれませんが、むしろもっと早く東南アジアなど他地域へ海外展開するべきだったと言えます。ちなみに現在、いきなり!ステーキはインドネシアの他、フィリピンに3店舗、台湾に1店舗を出店し、いずれも日本の売上高をおよそ30%も上回っているそうです」

 また、海外での成功が日本での復活につながる可能性もあるという。

「焼き牛丼で知られる『東京チカラめし』は大量出店からの大量閉店の憂き目に遭い、店名に冠している東京からも店舗がなくなり絶滅寸前となっていました。しかしその後、香港やタイなどに出店して海外店舗を増やし、今年5月にはついに九段第2合同庁舎に新店舗をオープンして東京への返り咲きを果たしている。いきなり!ステーキも日本では不振が続いていることから、海外での大成功が日本にも追い風を吹かせるかもしれません」(同)

 インドネシアから復活の狼煙をあげることができるか。

(小林洋三)

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