1世帯あたり貯蓄額が過去最高を更新…高齢者“2000万円超”に戸惑う若年層の実態

 5月10日、総務省が2021年の家計調査報告を発表。2人以上の世帯の平均貯蓄額が3年連続で増加し、過去最高となったことが明らかになった。コロナ禍で売上高が減少する企業や給与やボーナスが減額される従業員も多い中、特に60代や70代の平均貯蓄額が2000万円超えとなっていることに驚きの声が上がっている。

「総務省統計局によれば、2021年の2人以上の世帯の平均貯蓄額は前年比5%増の1880万円となりました。コロナ禍で外食や旅行する機会も減ったため、貯蓄が増えるのはある意味当然なのかもしれません。ただ、40代未満は貯蓄より負債が上回る中、60代は2323万円、70代は2232万円と圧倒的な貯蓄額に驚いた方も多かったのかもしれません」(社会部記者)

 20代のおよそ半数が“貯蓄ゼロ”というデータもあるだけに、ネット上では《あくまで平均で人それぞれだろうけど、高齢者が貯め込んでお金を使わないというのも問題だよな》《高齢者はお金持っているのに、医療費やら何やら優遇されるからね》《マジで高齢者がお金を使ってくれないと経済が回らないんだよ》《これから高齢化がさらに進む中で、若者世代にばかり負担がくる》といった批判的な声も飛び交っている。

「高齢世代がお金を貯め込むのは、仕方のないことなのかもしれません。多くは年金生活となる中で老後の生活を考えれば、無駄な消費を控えるようになるのは当たり前ですからね。金融庁は19年に、95歳まで生きるには夫婦で約2000万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算を出しているので、より貯蓄に回す傾向が増えているのかもしれません」(経済ジャーナリスト)

 高齢者の増加によって、今後も貯蓄額だけは右肩上がりに増えていくのかもしれない。

(小林洋三)

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