お笑い芸人の上島竜兵さんが5月10日深夜に急死していたことが明らかになった。一夜明けた5月11日、民放各局の情報番組はこの訃報をトップで取り上げ、「めざまし8」(フジテレビ系)では番組冒頭から上島竜兵さんの自宅前から中継を行った。
MCの谷原章介が「さあ、上島さんの自宅前には今、田中良幸キャスターが行っています。田中さん」と呼びかけると、画面は上島さんの自宅マンション前に切り替わる。
マスクをつけてマイクを手にした田中キャスターは、「東京中野区にありますお笑い芸人のダチョウ倶楽部の上島竜兵さんの自宅マンションに来ています」とリポート。続けて、「先ほどから少しずつ報道陣の方がつめかけて来ていまして、周辺からお話を聞いているような状況ではあるんですが、とにかく驚きの声というのが真っ先に挙げられているといったような状況が続いています」と語り、その間、田中キャスターの後ろを通学中の小学生が何名か通り過ぎていった。
その後、“尾木ママ”こと教育評論家の尾木直樹氏が、「自死の連鎖」に警戒を示し、韓国の例として報道の際に「自死」という言葉も使わないことを挙げたうえで「WHOなんかもですね、死因について言わないとか、場所の特定をしないとか、ガイドラインが決まってるんですね」とコメントした。
「子供たちへの影響を心配する言葉に、多くの視聴者が共感したようで、Twitterでは“尾木ママ”がトレンド入りしました。尾木さんが『場所の特定』について意見した後も、VTRでは上島さんの自宅マンションの外観の映像が使われていたのには、違和感を覚えました。その1時間後には田中キャスターが所属事務所前に移動して中継を再開。自宅からの中継を打ち切ったのは、尾木さんのコメントの影響と見る視聴者は多かったようです」(テレビ誌ライター)
自宅マンション前から中継を行ったフジテレビにはSNS上でも《フジは迷惑系ユーチューバーか》《自宅前から中継とかどれだけ無神経なん?》といった声が噴出する事態に…。だが、裏の「羽鳥慎一 モーニングショー」(テレビ朝日系)では、より問題のある映像が流れたという。
「『モーニングショー』でも上島さんの自宅前から中継を行っていましたが、こちらはマンションの外観を映さずに、建物側から道路の方に向かうアングルでした。そして道路の反対側には特徴のある専門学校の看板がバッチリと映り込んでいたのです。すでに『中野区』と各メディアで報じられているので、その学校名からすぐに上島さんの自宅住所が特定されるのは必至。なぜ住所がバレバレになるようなアングルから撮ったのか、理解に苦しみます」(写真誌カメラマン)
自死の現場よりも、伝えるべきことは他にあるのではないのだろうか。