ギャラなしは本当だった?芸人の闇営業で噂される「互助会」の仕組みとは

 お笑い芸人の入江慎也が詐欺グループの忘年会に多数の吉本芸人を送り込んでいた件で、明暗が分かれている。

 2014年12月に行われた忘年会には雨上がり決死隊・宮迫博之、ロンドンブーツ1号2号・田村亮、レイザーラモンHG、ガリットチュウ・福島善成らが出演。このなかで首謀者の入江は、反社会的勢力と関わったことを主な理由に吉本興業からマネジメント契約を解消された。それに対して他の参加芸人は一様に厳重注意で済んでおり、宮迫についてはMCを務める「アメトーーク!」(テレビ朝日系)でもおとがめなしという状況だ。

「入江に関しては、本人は知り合いの広告代理店関係者から通販会社の忘年会だと聞いたと釈明しているものの、その責任は重大で、契約解消処分は当然です。その他の芸人に関しては世間的には大甘な処分に見えますが、ポイントとなったのは全員が『ギャラはもらっていない』と主張したところ。いわば“汚れた金”には手を付けなかったというわけで、法律用語でいう善意の第三者という扱いになったのでしょう」(業界関係者)

 14日発売の「フライデー」には、入江の口座に”宣伝費”や”出演料”の名目で100万円以上振り込まれていたという、元詐欺グループメンバーの証言があったが、その後、出演者で分けられたかどうかはわからない。直接、ギャラを手にしたなかったことで芸人生命を救われた形の宮迫たち。世間からは「ギャラなしなんてウソに決まってる!」との声が続出し、芸能界からも和田アキ子や松本人志らが疑問を呈しているが、直の営業では“ギャラをもらわないパターン”もあり得るというのだ。前出の業界関係者がささやく。

「今回の件で、お笑い業界における“互助会”の存在が取りざたされています。いくら金に困っていても、闇営業が所属事務所に発覚すればペナルティを食らうことは明らか。しかも領収書のいらない手渡しであれば、脱税にもなりかねません。そのリスクは闇営業で糊口をしのぐ芸人側も理解していますので、一部の芸人同士がお互いに仕事とリスクを融通し合う“互助会”が機能しているというのです」

 今回の詐欺グループ忘年会を例にとると、ギャラは入江が一括して受け取り、他の参加芸人には分配していない可能性が高いという。この形ならたとえ闇営業が発覚しても、他の芸人は「ギャラをもらっていない」と主張でき、被害が広がらないというのである。

「この方式で、仲間の闇営業には無償で協力し、自分がとってきた仕事ではギャラを一括して受け取る。そうして会社を通さない直の仕事を融通し合うのです。さすがに中堅以上の芸人になると闇営業には手を出しませんが、たとえ大手事務所の所属でも、根本的には個人商売ですから、芸人同士で助け合う仕組みが自然と生まれるのかもしれません」(前出・芸能関係者)

 契約を解消された入江にもいずれ、互助会による救いの手が差し伸べられるのだろうか。

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