今から30年前の4月26日、26歳の若さでこの世を去ったシンガーソングライターの尾崎豊。その最期には未だ多くの謎が残るが、彼が世に出した名曲の数々は色褪せることなく、多くのファンから愛され続けている。
そんな尾崎豊の曲は海外でも人気。生前に海外進出していたわけではないが、代表曲の「I love you」はアジア各国で大ヒット。韓国人ロック歌手Positionや香港のアーロン・クオック、シンガポールのチン・イレン、日本人ながら80〜90年代にフィリピンの国民的歌手として活躍したテッド伊藤など多くのミュージシャンがカバーしている。
さらに人気はアジア圏だけではない。米国ではビルボード1位になったこともあるデビー・ギブソン、英国でも『スカイハイ』などのヒット曲で知られる世界的ロックバンド、ジグゾーのデズ・ダイヤーによるバージョンも存在。カバー版I love youのCDの総セールス枚数は1000万枚を超えるという。
また、同じく代表曲として知られる「卒業」は、なんとアフリカのスーダンで若者に支持されていた。16年11月放送の「世界193カ国を完全制覇!全世界の衝撃映像SP」(テレビ東京系)でもそのことが取り上げられている。
他にも「Forget-me-not」を俳優としても有名な香港のニコラス・ツェーがカバーして大ヒット。日本で活動していた時期もある米国人歌手のスコット・マーフィーによる「15の夜」は、尾崎豊のバックバンドのメンバーがレコーディングに参加している。
「つまり、それだけ国境を越えて支持されていたということ。日本の曲が海外でカバーされること自体は珍しくないですが、彼の場合はそのほとんどが没後。そこに尾崎豊という人物が残した曲のスゴさを改めて感じます」(音楽ジャーナリスト)
やはり伝説のシンガーソングライターと呼ばれるに相応しい存在だったようだ。