「メルカリで一見すると普通のワッシャーやナットにしか見えないものがたくさん売られている」
そんな話を聞いたのでメルカリを開いてみると、確かに売られていた。
「電磁波対策という名目で」とも聞いていたので、検索窓で「電磁波」と打ち終わるまでもなく、途中で検索予測の「電磁波対策」という言葉が現れた。ほかにも「電磁波 リング」というものもあった。そして開いてみると、出てきた出てきた。中には謎の模様が描かれたシールやコイルのようなものもあるが、多くは「う〜ん、やはりワッシャー」としか言いようがないものが出品されていた。
値段は1000〜5000円といったところ。コメント欄には「ワッシャーw」「どこのワッシャーですか？」と小馬鹿にしたものもあれば、「何Hz（ヘルツ）に対応しているか教えて下さい」という真面目なものも。凄いのになると、誰がどう見ても職場によくある少し厚手の書類を纏めるクリップにしか見えないものもあって、値段は8300円だ。商品名は「電磁波対策 クリップ型」で、説明には「独自の知見に基づき開発致しました……」とある。
これら一連の商品のキーワードになっているのが、「電磁波対策」「5G対策」「ストーカー対策」だ。素材や成分の記載はない。使用方法としては、財布の中に入れておくだけでOKというのが目立つ。
「その話は聞いたことがあります。家に余っているワッシャーやナットに『電磁波対策』と書くだけで小銭が稼げるということで、SNSでも『メルカリ錬金術』『陰謀論者の情弱』などといって一部で話題になっています」（週刊誌記者）
確かに昔からイワシの頭も信心からと言うように何を信じても自由だし、人体にはプラシーボ（偽薬）効果というものもある。でもそれは効果の問題で、ワッシャーはワッシャーでナットはナットであることに間違いはない。
（猫間滋）
