ソフトボールの国際大会が始まる。6月22日スタートの日米対抗、8月30日開幕のジャパンカップ(国際女子ソフトボール大会)の代表メンバーに、骨折で全治3カ月と伝えられた上野由岐子がエントリーされたのは、既報通り。その上野がプロ野球界にも大きな影響を与えそうだ。
「上野は国内リーグ戦中、打球が左あごに直撃して骨折。それからわずか1カ月で練習を再開させたのは、彼女の闘争心でしょう。もっとも、今回は戦力ではなく、精神的支柱として代表入りしただけとの見方もありますが」(体育協会詰め記者)
ジャパンカップは昨夏に続いて、テレビ中継される。その”裏番組”にあたるのが、伝統の一戦、阪神・巨人戦だ。
「夏休み最後のTG決戦ですし、阪神がこのまま好調を維持できないとしても、全国放送する方向で調整されています」(在阪記者)
しかし、巨人は5月に失速、負け越してしまった。4番・岡本の打順を下げて苦手な交流戦に突入したこともあり、「このまま、ズルズルと順位を落とすのではないか」とも危惧されている。また、いくら阪神が好調さを持続させたとしても、8月までに首位広島をとらえるとは考えにくく、巨人の失速と同時に「4年連続となる広島の独走」を予想する向きもある。
仮に上野が投げるとすれば、ペナントレースの順位もだいだい見えてきたプロ野球の“消化試合”よりも、視聴者が見たいのは上野のスピリットだろう。ましてや、ソフトボールの方は国際試合である。
こんな声も聞かれた。
「ソフトボールの解説者は、昨年に引き続き中畑清氏が務めると聞いています。昨夏も、ソフトの試合と巨人戦の中継がぶつかりましたが、その時の巨人戦のテレビ解説は原辰徳氏。当時“ポスト由伸”と目されていた原氏と、中畑氏がテレビ中継の裏表でぶつかったのも、皮肉な巡り合わせです」(TV局スポーツ部員)
ソフトボールの舞台は群馬県高崎市。原巨人がV戦線から本当に脱落していたとき、解説席に座る中畑氏は上野のスピリットに触れ、何と吠えるのだろうか。その勢いでラミレス監督の首が涼しいDeNA指揮官に復帰、な~んてことにもなりかねない。
(スポーツライター・飯山満)