プーチン大統領の「屈強ボディーガード軍団」、実はウクライナに負けていた!?

 今月5日にはイスラエルのベネット首相とモスクワで会い、12日にはドイツ・ショルツ首相、フランス・マクロン大統領と立て続けに電話会談したロシアのプーチン大統領。米共和党議員からは、ウクライナを守るために「ロシアの誰かが、この男を止めねばならない」と、暗殺を唆すような発言が飛び出していたが、それもあってかプーチン氏がどこで指揮をとり、寝泊まりしているかは杳として知れないのが現状だ。
 
 そんな中、プーチン大統領の「屈強ボディーガード軍団」を特集した米「ニューヨーク・ポスト」が話題になっている。記事によれば、ロシア大統領の身辺警護を担当するのは、特別護衛機関「ロシア連邦警護庁(FSO)」に在籍する精鋭部隊で、基本的には年齢が35歳未満であること、身長が175〜190センチメートルであること、体重が75〜90キログラムであることに加え、諸外国語を理解し、政治に精通していること、などが入隊条件なのだという。

「大統領を護衛する場合、最優先事項となるのは、攻撃者の逮捕ではなく大統領の身を守ること。ですから、体力はもちろんのこと、逮捕の実戦経験というよりも、脅威を予見して未然に防ぐ危機察知能力が重視されます。また、作戦遂行のためには常に安定した心理状態が必要ですし、寒さに強く暑くても汗をかきにくいなどの身体的適性も求められるようです」(要人警護事情に詳しいジャーナリスト)

 ロシア国営メディアが運営するサイト「BeyondRussia」によれば、大統領の警護にあたる精鋭たちは、常に盾として使える特殊なブリーフケースとロシア製9ミリ拳銃「SR-1ベクター」を装備し、身辺の護衛にあたるという。

「プーチン大統領が移動する際は重装甲のバンを使用しますが、その車を取り囲むのが拳銃を持ったボディーガードの車です。そして、この隊列を守るのが、AK-47・対戦車グレネード・携帯用対空ミサイルで武装した特殊部隊。通常、大統領が公の場に出るときはこのフォーメーションがとられ、さらに民衆の中にもボディーガードを紛れさせ、建物の屋上にスナイパーを待機させるなど、幾重もの“環”で守ることで、暗殺者などが入る隙の無い状況を作り出しています。そのすべての役割を担うのがロシア連邦警護庁(FSO)で、元KGBでもあるプーチン氏は過去5回暗殺から逃れたといわれますが、そういった鉄壁なガードが功を奏していることは間違いありません」(同)

「鋼のハート」に「肉体的スタミナ」、そして「武器の取り扱い」など、どれをとってもFSO部隊がハイスキルであることは疑いの余地はない。はずなのだが、実は過去、ベラルーシで開催された「ボディガード」国際大会に出場すると、意外な結果に終わったのだとか。

「この大会は、内外から政府機関や企業のボディーガードらが参加、技術を競い合うもの。過去にはウクライナのユシチェンコ大統領(当時)の護衛隊が優勝し、プーチン氏の護衛を務めるボディーガードは5位だったとか。この頃プーチン氏は大統領を退任し首相に就いていましたが、実戦ではないものの屈辱だったことでしょう」(同)

 ともあれ、屈強なボディーガードに守られるプーチン大統領がいま、どこで何を考えているのかが気がかりなところだ。

(灯倫太郎)

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