「デルタ株の時は(感染者数が)ストンと落ちたが、今回のオミクロン株はなかなかしぶといな」
と、小池百合子東京都知事が言うように、なかなか感染者数が落ちない上に、さらに「実効再生産数」の高い「BA.2」の感染拡大懸念もあって、今月6日が期限だった「まん延防止等重点措置」を適用している31都道府県のうち、18都道府県は2週間延長の21日までとなった。これでまた、対象地域では夕方以後の不自由な生活を強いられることになる。
一方、岸田政権が掲げた「1日100万回」のワクチン接種は完全に絵に描いた餅状態だ。
「2月中に3回目の接種を完了しているはずの高齢者の接種の進捗は、6割に留まったまま。『1日100万回』に関しても、2月18日の95万人が最高で1度も達成されていません。そこで3月1日には野党がこれを追及しましたが、堀内詔子(のりこ)ワクチン担当大臣は『(接種者の)数字はカウントによって後日積みあがる分もあるから』との弱々しい答弁に終始するだけでした」(全国紙記者)
そもそも政府が示す数字は、国交省のデータ不正があったばかりで誰も信用していない状態。堀内大臣にしても2月中に答弁でフリーズした姿の記憶ばかりが強く、存在感はほぼゼロに等しい。3月に兼務している五輪担当大臣の任期が切れるので、これを機にお役御免との説もある。
吉田茂や麻生太郎氏との縁戚の家に生まれ、学習院大学在学中には秋篠宮のお妃候補にも名前が上がり……と、就任当初はその華麗なプロフィールに注目が集まったものだが、蓋を開けてみれば“世間知らずのお嬢様”との評価を集めてしまった。
「まさかとは思いますが、あの姿を見ていると旦那の実家の問題が気になって目の前のことに集中できないのでは?なんて勘繰ってしまいますね」
と言うのは、とあるフリーの経済ジャーナリスト氏。
「堀内大臣の嫁ぎ先は、現在の宏池会・岸田派の前身の堀内派で会長を務めた堀内光雄さん(16年没)を生んだ堀内家。堀内家は山梨県内で運輸・観光・流通を営む名家で、堀内さんの旦那さんの光一郎さんは富士急行の社長を務めています。そして富士急行に関しては、山中湖畔の広大な土地を山梨県が富士急行に不当に安い値段で県有地を貸しているとして住民訴訟が起こり、その煽りで県が富士急行に92億円の損害賠償訴訟を起こすというトラブルの渦中にあります。堀内大臣が野党からの追及を受けたのとちょうど同じ3月1日に、元となった住民訴訟の弁論がありました」
18年、国会で「働き方改革」が問われて過労死を巡り国会が紛糾した際には、関連法案を強行採決するために議員の起立を求めてピョンピョン跳ねたことから、「過労死ダンス姫」との不名誉なあだ名をつけられたこともある堀内大臣。いまは、冷や飯を食わされている前任者の河野太郎氏との対比ばかりが目立ち、その情実人事ぶりが際立つ結果となっている。
(猫間滋)