パ・リーグの開幕戦で“事件”が起きるかもしれない。
「オリックスのドラフト5位ルーキー・池田陵真の評価が高まっています。ひょっとしたら、開幕スタメンも」(在阪メディア)
池田は強豪・大阪桐蔭高校の出身。ドラフト会議前はあまり名前が出なかったが、甲子園を目指す有望中学生が集まってくる大所帯の野球部において、1年秋からセンターのレギュラーポジションを獲った逸材だ。
「初スタメンとなった3月2日の千葉ロッテ戦でもヒットを放ちました。調整中とはいえ、実績十分の美馬学から打ったので、自信になったはず」(スポーツ紙記者)
同時点で対外試合6戦に出て、12打数5安打。打率は4割を超えている。高卒野手ルーキーの開幕スタメンとなれば、オリックスでは2011年の駿太以来の11年ぶりの快挙となる。まだ実戦に出ていない主力選手や、外国人選手との兼ね合いもあるが、
「駿太のときは岡田彰布監督(当時)がリードオフマンに育てたいとし、将来のため、大舞台を経験させました。シーズンを通してのスタメン出場は無理だとしても、中嶋聡監督もチームを活気づけるために新人を使ってくるのでは」(関係者)
との声も聞かれた。
開幕スタメンの栄誉を掴みそうな高卒ルーキーはほかにもいる。千葉ロッテの松川虎生捕手だ。松川は池田が活躍した2日、スタメンマスクをかぶっている。こちらも4割超えの高打率だが、こんな評価も聞かれた。
「4日のソフトバンク戦の第3打席で四球を選びました。同日はノーヒット、並みの新人なら結果を欲しがってフルスイングしてくるところでしたが、冷静に四球を選んだ。良い意味でふてぶてしいというか」(ライバル球団スコアラー)
一般論として、高卒1年目の捕手は配球のサインを出さない。というか、出すことを許されない。しかし、チーム全体で未来の正捕手候補を育てていこうとしているのだろう。攻守交代でベンチに下がるたびに、経験豊富な捕手・田村龍弘が助言を送っていた。本来ならば、正捕手は田村だが、松川にも十分チャンスはある。
「19年、ロッテは高卒ルーキーだった藤原恭大を開幕スタメンで起用し、箔付けをしました。今年の松川も…と期待されています」(同)
オリックスは埼玉西武と、千葉ロッテは東北楽天と開幕戦を迎える。池田、松川が2人揃って開幕スタメンとなれば、史上初だ。もちろん、日本ハムの新庄剛志監督も何か仕掛けてきそうな雰囲気。パ・リーグの開幕戦は3球場で“サプライズ”が見られるかもしれない。
(スポーツライター・飯山満)