岸田政権の「ブラックボックス」をブチまける(2)くすぶる「ド・ドドンパ内紛」

 もちろん、噴飯閣僚はこれだけに留まらない。

「新内閣で続投するのは茂木外相と岸防衛相の2人。安倍元総理の実弟の岸防衛相は、尿路感染症で杖をつかないと歩けない状態。北朝鮮がミサイルを飛ばしている状況で、防衛相としてはいかにも頼りない。茂木外相は東大・ハーバード大卒のキャリアで、額面通りの秀才と評価は高い。しかし、安倍元総理など上に対してはごますり上手ですが、おつきの官僚など格下の人間には強烈に𠮟責する二面性のある人物として知られている」(政治部デスク)

 このパワハラ言動が、国会議員に向けて炸裂したのは、総裁選の最中のことだった。自民党幹部が打ち明ける。

「9月17日に竹下派会長の竹下亘元復興相が死去すると、その直後に会長代行の茂木氏が竹下派の議員宛に臨時の派閥会合を招集する通知を出した。ところが、同じ竹下派でも独自の勢力を有する参議院メンバーから『不謹慎だ』と猛反発を食らってしまった。『会長代行の分際で跡目気取りなど100年早い』と総スカンで、結局、臨時会合は撤回となりました。この茂木ワンマン騒動で、竹下派は小渕優子元経産相(47)派と加藤勝信前官房長官(65)派に大分裂寸前です」

 13人の初入閣の中でもタイミングが悪かったのが、党広報本部長に格下げとなった河野太郎氏(58)に代わってワクチン担当相に任命された堀内詔子氏(55)だ。

「夫は富士急行創業者一族で現社長。義父・光雄氏は通産相などを歴任した大物政治家です。そして自身は大久保利通の子孫で、学習院大時代は秋篠宮殿下の同級生。天皇陛下のお妃候補と報じられたこともあった。光雄氏の政界引退後、夫の代わりに地元・山梨から出馬した」(政治部デスク)

 その輝かしい経歴が曇ったのは今年8月。富士急ハイランドのジェットコースター「ド・ドドンパ」の乗客複数名が、頸椎などを骨折していた事故が明るみに出たのだ。社会部記者が耳打ちする。

「これを掘り起こしたと言われるのが、長崎幸太郎県知事(53)です。同じ自民党ながら堀内王国と呼ばれる山梨2区で仁義なき戦いを繰り広げてきたライバル。17年の衆院選で堀内氏に敗れ、知事に転じた長崎氏は山梨グリーン・ゾーンなどコロナ対策を成功させている。反対に堀内氏は初入閣でも富士急の不祥事が全国ニュースで取り上げられただけに、向こうズネになるでしょう」

 くすぶり続ける「ドドンパ内紛」と同様に、火の粉をかぶりそうな閣僚は枚挙にいとまがない。

「国会議員にとって大臣の椅子は諸刃の剣。特に叩けばホコリの族議員は、一躍注目を浴びることで、これまでの黒い癒着が膿となって湧いて出る。その意味では、辺野古基地関連の業者から献金を受けている西銘恒三郎復興・沖縄担当相(67)、過去に後援会から5000万円を借り、政治資金報告書に記載しなかった末松信介文科相(65)は、地検特捜部にマークされている。また、後藤茂之厚労相(65)こそは〝癒着の権化〟ともっぱらで、過去に巨額年金資産消失事件を起こしたAIJ系列の証券会社から多額の寄付を受けたことが報じられています」(ジャーナリスト)

 叩けばホコリどころかカネが鳴る。

 野党が最も嫌悪感を示しているのが、選挙後に国対委員長への就任が決まっている高木毅氏(65)だ。

「およそ35年前に地元福井で女性のアンダーウエアを盗んだことを報じられたが、論功行賞とはいえ、野党とのパイプ役を務める党の顔に、わいせつ男を持ってくるとは笑止千万です」(ジャーナリスト)

*「週刊アサヒ芸能」10月21日号より。(3)につづく

ライフ