コロナ感染芸能人の「デタラメ申告」療養白書【下】質問を重ねると“特別な関係”が…

 都内保健所の職員は顔を曇らせて、

「芸能人や有名人だからといって区役所や保健所が特別扱いすることはありませんが、症状が重く、医師による往診や健康観察が必要と判断された患者は、有名人かどうかと関係なく、保健所や東京都の患者リストから外れます。またコロナが重症化しやすい持病のある人は、自分自身で施設での療養を申し込むこともできます。陽性患者は住所から家族構成、連絡先まで、自治体に届け出ねばなりません。それら個人情報の漏えいを恐れて自発的に施設入院したり、医師に往診、入院を依頼する芸能人も多いと思います」

 芸能人やスポーツ選手御用達の美容皮膚科や美容形成外科、スポーツ医学の開業医は今、有名人の往診で大忙しなのだ。

 人目を気にして大病院にかかれない芸能人にとってはありがたい存在だが、そんなプライベートドクターを持たない場合は‥‥。

「行政の指導に従い、自宅療養となります。自宅の住所を知られたくないために、マネージャーの住所や連絡先を書く芸能人は多いですね。連絡を取るとマネージャーが電話に出て『はい、〇〇です』と言ってから『あ、間違えました。△△です』と訂正するから、すぐバレる」(保健所職員)

 素性を偽って、保健所に「発熱している」と相談してくるケースも。あるいは、東京都の相談窓口に電話をかけてきた若手お笑い芸人の場合はというと、

「ガラガラにかれた痛々しい声で、濃厚接触者についての問い合わせがありました。周りに迷惑をかけたくないという思いが強かったのでしょう。こういうケースでは濃厚接触者になるのかと具体的な話をし始めたので『誰と接触しましたか』と聞いていくと、最後には身バレしました」(看護師)

 コロナ診療医師は半ばアキレ気味に、ウソ、ごまかし、デタラメ申告が横行する実態を嘆く。

「保健所や医師の聞き取りには『友人知人、マネージャーも一緒に会食した』と言いながら、そのうちの2人だけ、同じ日に同じ症状が出た。そこで濃厚接触者や居場所についての詳しい質問を重ねるうち〝特別な関係〟であることがモロバレになったのが、若手女優と俳優の不貞カップルでした。仕事も思うようにできず、家に引きこもって夫婦が顔を合わせることも多い中、不貞行為でコロナを家に持ち込まれ、家族が濃厚接触者となって仕事や登校もできなくなったとなれば、夫婦関係の修復は難しい。コロナのほとぼりが冷めたら、離婚するかもしれません」

 不貞バレ芸能人のコロナ離婚。案外、続出するかもしれない─。

*「週刊アサヒ芸能」3月10日号より

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