陳列スペースがない!? ワークマン「子供服」の本格展開に不安と期待の声

 作業服専門店を展開する株式会社ワークマンが2月22日よりジュニア向け新アイテムを発売した。同社は2020年よりキッズサイズのウェアを展開してきたが、更に小さい子供向けのサイズを新たにラインナップし、子供服の展開を本格化させる。

 同社は、顧客からの「家族コーデがしたい」「親子でペアルックできるようにしてほしい」といった要望に応える形で子供向け商品をさらに展開。今までは140・150サイズのみの販売となっていたが、今回より120・130サイズが一部商品で追加された。軽量で動きやすく撥水仕様で、夏の外遊びに重宝すると人気の「クライミングショートパンツ」は780円というコスパの良さ。ワンシーズンでサイズが合わなくなってしまう成長期の子供を持つ親にとって、この高コスパはありがたい。また、機能性の良さと着回し力の高さで、世の“ワークマン女子”から絶大な支持を得て、昨シーズンには8万着を完売した「アクトワンピース」も女児向けサイズを展開。親子でリンクコーデが楽しめるという。

 作業服のイメージが強いワークマンだが、昨今では女性向け商品に力を入れるなど新たな顧客獲得への意欲が伺える。幅広い層へのアプローチに対し、ネット上では《迷走してる》《本業を忘れたのか、血迷ってるな》《少子化で競争率が高い子供服業界にあえて踏み出す意味は?》《子供服展開とか採算とれんのかよ》といった厳しい声も聞かれる。実際に企業としての勝算はあるのだろうか。

「既存店舗はもともとの商品在庫が飽和しているため、子供向け新製品の陳列スペースは確保できません。そのため、子供服はWEB注文・店舗受け取り専用での販売となります。注文の手間がかかる無在庫販売は難易度が高いと言われていますが、すべての在庫を売り切れるよう、既に大人向けに販売されている人気製品のジュニア版だけに絞った展開のようです。機能性と高コスパがSNS上で話題になること必須の精鋭商品だけを展開することで、ロス対策もばっちり。生産コストの面でも、大人用と同じ生地や資材を使い、既に備わっている製造ラインを使って生産できるため、圧倒的低価格が実現できたようです」(経済誌ライター)

 “迷走”と心配の声があがってしまった子供服展開の裏には、顧客からの熱い要望と低コスト生産戦略があったようだ。今年の夏のレジャーは家族みんなでお揃いにしてみては?

(浜野ふみ)

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