韓国で大人気の化粧ブラシブランド「アンシブラシ」の公式インスタグラムが、求人に関する投稿の中で企業としてふさわしくないコメントを連続投稿し、批判の声が殺到。同アカウントは「公式ではなく個人的な意見を掲載しお客様にご不快な思いをおかけし大変申し訳ございませんでした」と謝罪し、投稿を削除したが、波紋は広がり続けている。
炎上騒動となった発言は、ストーリーズの質問機能を使った投稿で、フォロワーからの「ボーナスはありますか?」という質問が発端だった。これに対し「支給実績あります」とした上で、「ちょっと厳しい話し(現実)を言いますね」「今の日本女性25‐29歳の高卒平均年収198万、専門卒平均年収230万、大卒平均年収250万なんですね」「弊社は日本の平均勤務時間より1時間少なくして7時間勤務。未経験ok学歴不問。それでも月19万〜保証しています。なので現時点でこれ以上の待遇を求められても『?』ってなります」と日本の平均的な企業と比較し、十分な高待遇であると主張。さらに「ボーナスは『毎月受け取る月給以上の結果を出した人』にしか支給できません」「7時間しか働かないし勉強もしない。スキルもない。でもボーナスは欲しい。って言われると、【43キロになりたいけどポテトチップスは毎日3袋食べたい】って言ってる人と同じことに感じます」とダイエットに例えて一蹴した。
さらに、国税庁が公開している、女性の民間給与実態統計調査結果を掲載し、「600万貰ってる人は2.2%のみ。残りの97.8%と同じことしてたら貰えるわけがないんです。まず週2日しっかり休んだらその時点で97.8%にはいります」と、ブラック企業のような論調で給与に関する持論を展開し、最後には「0.0%の人より」と締め、自身の年収が2500万円以上であることをサラッと明かしていた。
「支給実績あります」としたボーナスの実態についても、「入店3ヶ月目のアルバイト勤務さんに1万円ボーナスお渡し経験あり」と他の投稿内で追記していたことから、《1万円って、インセンティブ制度だよね?》《ボーナスとインセンティブの違いもわからないのに中の人はあんな偉そうに語っていたのか…》と困惑の声があがっている。ボーナスに関する発言以外にも問題箇所が数々掘り出され、ブランドの愛用者の多くが失望しているようだ。
休まずに働くことを美徳とする前時代的な思考の押し付けは、顧客離れに繋がるのではないだろうか。美容業界では未だに“やりがい搾取”が当たり前に横行しているのではないかと不安を感じてしまう。
(浜野ふみ)