ワクチン接種の“激レアバイト”が物議、日給約3万円でもブーイングのワケ

 全国でコロナウイルス変異株が猛威をふるう中、なかなか進まないワクチン接種の現状。接種予約の受付を開始した各自治体では電話やインターネット上での予約が殺到し、混乱を深めている。ワクチン担当の河野太郎大臣は民放の報道番組に出演した際に、接種が他国に比べて遅れている理由として、ワクチンの供給不足はもちろんのこと、打ち手や予診を行う人材不足の問題に直面していることも明かしていた。

 接種会場での人手不足が問題にあがる中、求人サイトに「今どき激レア案件」として掲載されたワクチン接種に関する求人情報がネット上で話題になっている。
 
 イベントスタッフなどの派遣会社が応募を募っているのは「自治体関連のワクチン接種会場でのお仕事」として、接種に来た人の身分証明書の確認や検温、体調確認、接種時間と接種回数の確認などの業務を任される会場スタッフだ。詳細には履歴書不要で学歴不問、単発OKという要項が書かれており、いわば「人手が足りないから誰でも歓迎」という状態。さらに日給は29560円からとかなりの好条件のように記載されているが、募集要項を見たユーザーからの反応は芳しくない。それもそのはず、業務時間は午前10時から翌午前10時の24時間勤務が条件のようだ。

 ネット上では《人が集まるワクチン接種会場に24時間勤務ってめっちゃ怖い》《これ時給換算したら夜間手当つくコンビニバイトのが稼げるんじゃ…》《誤掲載じゃないのか!? 普通に働いたほうがよくね》《感染リスク考えたら割に合わんよな》《コロナ収束のために働く人にはもっと給料出してもいいんじゃないか、国や自治体が上乗せするなり…》と募集内容に異議を唱えるブーイングめいた声もあった。

 医療体制を守るため一刻も早いワクチンの普及が必要とされる中、接種会場の人材確保は重要なカギとなるのではないだろうか。国や自治体の大きな枠組みで体制を整えることが求められている。

(浜野ふみ)

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