石原慎太郎さんが隊長を務めた「国際ネッシー調査隊」とは?

 1日に他界した作家で元東京都知事の石原慎太郎氏(享年89歳)。晩年は脳梗塞やすい臓がんなどで闘病生活を送りながら、亡くなる直前まで執筆活動を続けていたというが、かつて「国際ネッシー調査隊」なる組織の隊長を務めていたことはご存じだろうか?

 ネッシーといえば、英国北部にあるネス湖に生息すると言われた未確認生物。日本でも70年代に一大ブームを巻き起こし、石原氏も当時その存在を信じていたひとりだ。

「超能力やUFOなどオカルトがブームだった時代で、テレビでも特番が数多く放送されていました。そんな中で誕生した企画で、最初は『日本沈没』の原作者でSF作家の小松左京氏が隊長になる予定でしたが石原氏が立候補したんです」(週刊誌記者)

 現地では潜水調査や湖の全域250ヶ所での水質調査、魚群探知機を使った捜索に水中に高圧電流を流しての捕獲作戦など多額の予算を投じて大規模な調査を行っている。
 
 しかも、このとき石原氏は現役の国会議員。そのため、約1年半におよぶ調査期間のうち、ネス湖のある英国北部を訪れたのは一度だけ。それでも多忙なスケジュールの合間を縫って半月近く陣頭指揮に当たっている。

 これほどの期間、規模となると費用もかなりの額になるが、調査隊のスポンサーには自動車メーカーや飲料メーカーなどの大手企業が並んでいたという。

「調査隊発足のきっかけを作ったプロデューサーの康芳夫氏が後に明かしていますが、当時閣僚だった福田赳夫元首相(※福田康夫元首相の父親)が仲介役となり、スポンサーを紹介してくれたそうです」(同)

 話のスケールの大きさに驚かされるが、今なら与党の国会議員がこんなことをしたら野党だけでなく国民からも非難を浴びる可能性が高い。それが許された時代だったのかもしれないが、できれば石原氏本人の口から当時の思い出やウラ話を聞きたかったものだ。

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