「新人全員2軍スタート」桑田コーチの方針で不安視されるドラフト投手とは

 プロ野球のキャンプが2月1日に宮崎と沖縄でスタートした。事前にキャンプ地となる南国の球場で自主トレを開始した選手も少なくない。

「この時期のプロ野球のニュースは、新人戦力や新任監督がメインとなりますね」(ベテラン記者)

 だが、野球報道の主役を他チームに譲っても“育成重視”と決めたのか、今年の原巨人は新人投手全員が二軍スタートとなった。桑田真澄投手チーフコーチの方針というが、二軍スタートがマイナスにはたらかないか心配なのが、3位指名の赤星優志投手(22=日大)だ。
 
「この投手は実戦で光るタイプですから…」(球界関係者)

 赤星は、身長175㎝と小柄。ドラフト会議前後にも伝えられたように、コントロールを重視するピッチャーだ。しかし、日大4年時は2部リーグながら、最高殊勲選手、最優秀投手、最優秀防御率の3部門でトップとなり、1部昇格の原動力となった。

 他球団だが、関東地区のスカウトがこう評していた。

「内外角に、ストライクゾーンからボールになる変化球を投げ分けています。変化球の曲がり幅は小さいが鋭く、相手バッターを空振りさせていました」

 まさに実戦で光る投手のようだ。ただし、

「ボールはとりわけ速いというわけではなく、ブルペンで投げていても他投手に飲まれてしまう。赤星が首脳陣に『実戦で投げさせてみたい』と思わせることができるきかどうか…」(前出・球界関係者)

 赤星を東都2部リーグで観た感想だが、牽制の巧さやクイックモーションのスピードは伝わってきた。しかし、剛速球もなければ、圧倒的な変化球もない。となると「実戦で」と思わせるまで遠回りしてしまうかもしれない。スカウトから現場コーチにそんな赤星の“トリセツ”は伝わっているだろうが…。

「日大野球部は練習が厳しく、ピッチャーには毎日のブルペン入りが課せられています。大学4年間での投げ込み量はハンパではなく、そんなスタミナ面をますアピールするところから始まるのでは」(前出・スカウト)

 新人投手はプロの世界に慣れることも必要だが、自己アピールもしなければならない。赤星が一軍昇格を勝ち取れるかどうか、注目したい。

(スポーツライター・飯山満)

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