「うまい棒」発売以来初の値上げに「ありがとう」の声が続出のワケ

 駄菓子メーカーのやおきんが販売する定番スナック菓子である「うまい棒」が税別10円から同12円に値上げされることが分かった。1979年の発売以来初めてとなる値上げに衝撃が広がっているが、むしろ今まで値上げしてこなかったことに称賛の声が相次いでいる。

「1月中旬頃からSNS上で《うまい棒が値上げされる》といった噂が拡散していましたが、今回、4月1日出荷分より正式に値上げされることが明らかとなりました。主原料となるコーンや植物油の価格が上昇していることなどが原因で、企業努力で許容できる範囲を超えてしまったことから商品価格に転嫁することを決めたといいます」(流通誌ライター)

 発売から40年以上にわたって標準小売価格1本10円を維持してきただけに今回の値上げにはショックも大きいが、その一方でバブル崩壊やリーマンショック、消費増税など幾多の苦難を乗り越えてきたことも大きな話題となっている。

「やおきんによれば、これまで10円の価格を守り続けてきたのは、いつも駄菓子を買ってくれる子どもへの恩返しの思いがあったそうで、『うまい棒』はCMや広告を打つことをせず、そのぶんを価格維持に費やしてきたといいます。これまで幾度となく値上げの危機もあったそうで、長さを変えることで内容量を調整するなどして対応してきましたが、長引くコロナ禍で限界がきてしまったようです」(経済ライター)

 企業努力を続けた上での致し方ない値上げだけに、ネット上では《この値上げに文句を言う人は少ないだろう。むしろ今までずっと10円を守り続けてくれてありがとう》《キリよく15円とか20円にしてもよかったと思うけど、そこを2円だけ値上げするのもうまい棒らしいというか、これからも変わらずに買わせてもらいます》《激動の昭和、平成を10円で乗り切ってきたことが奇跡。もはや伝説》《50のおっさんだが、自分が子どもの頃から値段が変わってないって他にないんじゃないか。今までの企業努力を素直に讃えたい》など称賛と感謝の声が数多く寄せられていた。

 昨今は様々な分野で値上げが実施され、中には批判を浴びるものもあるが、「うまい棒」の場合は賛同の声が多いようだ。

(小林洋三)

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