桝太一アナ「理系の池上彰」志望のウラで熾烈化する男性フリーアナのサバイバル戦

 日本テレビの桝太一アナウンサーが1月23日、キャスターを務める「真相報道 バンキシャ!」(同局系)で3月末に退社することを発表した。4月からは同志社大学ハリス理化学研究所の専任研究所員(助教)に転身。同番組への出演は4月以降も継続する。

 桝アナは東京大学大学院農学生命科学研究科を修了。学生時代はアサリの研究をしていたことでも知られている。日テレの採用サイト「日テレ RECRUIT」では、アナウンサーを目指した理由について「研究者になるよりも、研究した結果を広く世に広める方へ進もうと思ったんですね」と説明。1月23日配信の退社にあたっての質問形式のリリースで、最終目標を聞かれて「『理系版の池上彰さん』のような存在を目指します」と答えていた。科学の世界をわかりやすく伝えるという点では、学生時代からブレていない。

 フリーアナウンサーへと転身するのではなく、あくまでも研究者兼キャスターという二刀流。新しいスタイルへの転身だ。

「各局有名アナの独立は昔から後を絶ちません。日テレでは羽鳥慎一アナをはじめ、20年には桝アナと同期の青木源太アナが独立。昨今は男性フリーアナウンサーが飽和状態となり、ただでさえ“椅子の数”が少ない分、熾烈なレギュラー番組争奪戦が繰り広げられています。レギュラーが安泰なのは羽鳥アナ、福澤朗アナ(元日テレ)、石井亮次アナ(元CBC)ら数えるほど。登坂淳一アナ(元NHK)、安東弘樹アナ(元TBS)、田中大貴アナ(元フジ)らの有名どころでも、局アナ時代ほど番組出演に恵まれていません。桝アナはフリーアナとして独立したわけではありませんが、〝研究者〟という付加価値がつくのは大きなメリット。今後、フリーアナになったとしても、この差別化が物を言うはずです」(テレビ誌ライター)

 対して、痛手を負ったのは日テレだ。

「桝アナは19年の人事でアナウンス部副主任から主任へと昇進したことを『週刊新潮』が報じました。主任というのは准管理職でスピード出世だとか。それも、日テレが桝アナの独立を防ぐためと囁かれていたといいます。今回は独立ではありませんでしたが、結果的に退社という形になりました。そしてこの退社劇は、他局の情報番組でも取り上げられるほど、桝アナの注目度は高い。フリーになった桝アナに他局が食指を伸ばす可能性は高く、それを考えれば日テレとしても、胸の内は面白くないでしょう」(同)

「バンキシャ!」に残ってくれたのが、せめてもの救いか。

(石田英明)

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