近年、一定枚数以上の小銭の両替、入金に対する手数料を相次いで実施した国内金融機関。そして、1月17日からはゆうちょ銀行がATMや窓口で「硬貨取扱料金」を導入。硬貨で預け入れや振り込みをする際、51〜100枚は550円、101〜500枚は825円、501〜1000枚は1100円という高額な手数料がかかることになった。だが、そうした状況に危機感を抱いているのが各地のボランティア団体だ。
募金や義援金事情に詳しいライターは、「募金箱を置いている協力者から、福祉団体に銀行振り込みで入金する際にも手数料がかかり、場合によっては赤字になるケースもあるのでは」と危惧する。
実際、街頭での募金活動をはじめ、小売店や飲食店のレジ横にある募金箱でも集まるのはほとんどが小銭。せっかく寄付してもそのお金が全額届かないと知れば、募金する気持ちも萎えるというものだ。
「最近は電子マネーが普及したことで、ただでさえ店頭での小銭募金が顕著に減っています。今はネット募金の割合が増えていますが、アナログ派の中高年がそれを行うのは難しい。人口も多く、蓄えや平均所得が上の世代からの寄付が集まらなくなると活動が立ち行かなくなるボランティア団体が続出します」(同)
また、こうした流れは毎年夏に開催される「24時間テレビ」(日本テレビ系)にも深刻な影響を及ぼしかねないという。
「1年間に貯まった小銭を持ち込んだり、振り込みで募金するのが恒例。これまでも振込手数料はかかっていましたが、加えて高額な小銭取扱手数料を取られるとなれば、募金控えの動きが出ることは十分に考えられます。毎年10億近い募金を集めていた同番組ですが、今年はぐっと少なくなるかもしれません」(同)
金融機関にとっても小銭を持ち込まれると人員、コストも手間なのは理解できるだけに難しい問題だ。
(トシタカマサ)