「バイキング」で拡散!? 噴火大災害のトンガを貶める“ワード”に大ブーイング

 海底火山の大規模噴火と最大15メートルの津波に襲われたトンガ。世界中から住民の安否を心配する声が高まっているが、大量の火山灰の影響で周辺国からの支援物資も届けられない状況が続いているという。また、噴火による海底ケーブルの切断で通信手段が閉ざされ、電話やインターネットが使用できず、トンガに住む家族と連絡が取れないというトンガ系の人々が「夜も眠れない」と声を震わせている。

「トンガは親日国として有名。出身の人たちが日本には多く住んでいます。例えばラグビーで、トンガから来日して代表に選ばれ日本国籍を取った選手は多く、日本の大学に留学してラグビーに励んでいる学生もたくさんいます。週末に行われたラグビーの試合会場では、トンガの国旗を掲げるファンの姿が見られました。東日本大震災の際、すぐに義捐金などの寄付をしてくれたのもトンガで、日本国内では『我々もできる限りのことをすべき』『恩返しをするときは今だ』などの声が広がっています。ところが、意外なところからトンガをディスるような言葉が拡散され、トンガを思う人たちから非難の声が上がっているんです」(週刊誌ライター)

 じつは噴火のあった翌日の16日あたりから、頭痛を訴える人が続出。一説には、トンガで起きた大噴火による気圧の変化によるのものだとされ、これによって予期せぬネガティブな言葉が生み出されたというのだ。

「トンガでの噴火によって起きた頭痛…それを略して『トンガ頭痛』という言葉がSNSで広まったんです。すぐに、それはトンガを貶める言葉、トンガが大変なことになってるのに…と戒める意見も投稿されました。ところが、それにトドメを刺したのが、18日に放送された『バイキングMORE』(フジテレビ系)。番組ではトンガの被害状況に続いて、謎の頭痛についても取り上げボードを使って説明。その中に、SNSの声として『トンガ頭痛』という言葉が複数回紹介されたんです。すると、この言葉が一気に拡散されてしまった。またたく間にツイッターのトレンドの1位に。夜になってもトレンド10傑から落ちないほど広まってしまいました」(前出・週刊誌ライター)

 これにはネット上でも「武漢ウイルスにやたらデリケートだったマスコミがトンガ頭痛を平気で発信するとか差別にも程がある」「こんな酷い言葉を誰が広めたかと思ったらやっぱりバイキングだった」「まるでトンガが悪いみたいで本当に胸が痛む」と、テレビの悪影響を非難する声が見受けられている。

 いまも火山灰により「生活水が不足しているのでは?」と心配されているトンガ。一刻も早く現地への救援物資などが届けられる状況に回復することを心から祈る。

(飯野さつき)

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